なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

老人性鼻炎

2021年01月11日 | Weblog

 「もっと!一発診断100」(文光堂)に老人性鼻炎の項目(症例25)がある。

 「くしゃみや鼻閉を伴わない水性鼻漏のみの高齢者の鼻炎をいう」とある。加齢に伴って鼻粘膜が萎縮し、①線毛輸送能の低下による分泌液の停滞、②鼻粘膜温度の低下による水分の再吸収障害、が生じることが原因である、そうだ。

 高齢者の、それも女性が多いが、毎回風邪薬を希望する患者さんがいる。「富山の置き薬」的に、PL顆粒を処方していた。降圧薬などを2か月分処方しているので、5日分の風邪薬をその間自分で調節して飲んでいる。

 PL顆粒を内服して、ふらつきや尿の出にくさなど支障がないかと訊いても、特に問題ないという。こちらとしては、好ましくない処方という意識があり、後ろめたい気持ちで出している。

 症状は確かに鼻汁だけで、くしゃみや鼻閉はなく、咽頭痛も咳もない。微熱程度の発熱もない。鼻汁が出るだけならば鼻をかめばいいのではと言うと、やはり薬をのまなくてはと言われてしまう。1回内服すると良く効くと主張する。

 漢方薬の方が好ましい気がする。小青竜湯になるが、飲んでくれるだろうか。当方は通年性のアレルギー性鼻炎があるが、通常は鼻をかむだけで特に薬は使用していない。スギ花粉症があるので、春には症状が悪化して(鼻閉がひどい)ステロイド噴霧(アラミスト)をその期間使用している。小青竜湯はすっぱくて自分が飲めないので、あまり処方していない。

 「PLファン」が一定数いて、なかなか対応を変えるのは難しい。安易に処方してこちらで作ってしまったファンではあるが。

 

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