12月24日に医療センター脳外科から、脳梗塞の56歳男性が転院してきた。脳梗塞の転院だと通常は神経内科で受けている。この患者さんは疾患が複雑で、地域医療連携室では転院依頼の診療情報提供書を内科にもってきていた。
2019年9月に立ちくらみ・息切れ・発熱を訴えて、内科新患を受診した。昨年いた内科専攻医(医療センターから地域医療研修で来ていた)が診察した。血液検査で汎血球減少を認め、白血球分画で芽球47.0%もあった。
相談を受けたかどうか覚えていないが、すぐに急性白血病疑いとしてがんセンター血液内科に紹介となった。返事は来ていなかったようだ。
今回は医療センター血液内科からの診療情報提供書も来ていた。それによると、がんセンターで骨髄異形成症候群・急性骨髄性白血病と診断されていた。化学療法の後に、2020年7月非血縁者間骨髄移植が行われていた。移植後生着して完全寛解したとある。
10月に言語障害(構語障害+失語)・右片麻痺が発症して、通院しているがんセンターに救急搬入されたが、そのまま医療センターに転送された。(がんセンターにも脳外科はあるが脳腫瘍しか診ない)
当初は左内頚動脈狭窄に伴うアテローム血栓性脳梗塞と診断された。血管内治療(血管形成術)目的でカテーテル検査を行ったが、狭窄部に仮性動脈瘤を伴っていて中止になった。(医療センターからの画像)
精査の結果、左蝶形骨洞内の真菌性副鼻腔炎による血管病変と診断された。これは当院としては複雑すぎる。
入院翌日に血液検査を行った。白血球1500(好中球26.0%)・Hb8.5g/dl・血小板6.8万と汎血球減少・好中球減少がある。もう少しリハビリで動けるようになって退院したいという希望だったが、こちらとしては早めに退院にして、がんセンター血液内科の外来に回したい。