1月14日に入院した新型コロナウイルス感染症の64歳男性は、入院時は無症状だった。88歳の父親が新型コロナと判明して、保健所で入院勧告を拒否した。説得した結果、ホテル療養の予定だった息子がいっしょに入院するのであれば、と入院に同意した。
息子さんの方は付き添い気分での入院だったので、テレビは見られるのか、インターネットは繋がるのかと、病院の設備だけ気にしていた。
入院時の検査で白血球4800・CRP4.1と炎症反応は軽度症状だった。胸部CTで両側肺野の背側胸膜下にすりガラス陰影を軽度に認めていた。
入院した翌日の夜間に、入院時には正常域だった酸素飽和度が低下して、発熱もあった。酸素吸入2L/分を要して、中等症Ⅱ相当になった。
連休明けの検査で白血球5600・CRP7.4と上昇していた。胸部CTでもすりガラス陰影が増加していた。もともと心房細動があり、DOACが処方されていた。安静時100/前後で体動時は140~150/分になる。頻脈性としてβブロッカー少量を追加した。
酸素飽和度の有意な低下はなかったが、発熱が続いていた。倦怠感があり、食欲が低下してほとんどベット上で過ごしていた。酸素吸入開始時から、重症化して対応できる病院に搬送する場合に備えて、診療情報提供書と画像のCDを準備した。
8日目を待って、デキサメサゾンを開始した。投与後は解熱して、数日投与するとしだいに酸素飽和度が上がってきた。酸素吸入を1L/分に下げるころには、患者さんの表情もよくなってきた。
デキサメサゾン8日間投与で、白血球12700(ステロイドの影響)・CRP0.2と炎症反応が軽快した。胸部CTですりガラス陰影は軽減していた。酸素吸入は中止できた。
10日間の投与予定だったが、炎症反応の陰性化、酸素化の改善、さらにステロイドで食欲が出過ぎた(!)こともあり、8日間で中止した。
問題点・疑問点としては、1)デキサメサゾンを入れなくても改善したかもしれない、2)1週間以内のウイルス増殖期に酸素吸入を要したのでレムデシベルを取り寄せて投与すべきだったか、になる。胸部CTもやりすぎなのだろう。
数多くの患者さんを診ている病院では、このくらいの病状変化ではあわてないのだろう。当院では酸素吸入が開始になると、病棟の看護師さんも、「大丈夫でしょうか!」、「搬送は?」、とストレスがかかる。
病室から出られないので、希望するもの(食品)は病院の売店で購入して差し入れることになっている。デキサメサゾン投与4~5日で、大量の食品を希望してずっと食べていた。それで記憶に残る患者さんになりそうだ。