なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナウイルス感染症の肺炎

2021年01月07日 | Weblog

 昨日新型コロナウイルス感染症の患者さん2名が入院した。

 そのうちの一人は27歳男性で知的障害があり、授産施設で働いている。保健所の話では、理解力は幼稚園から小学校2先生くらいという(どうやって判定しているのか)。父親といっしょに居酒屋に行って飲酒しているそうだ。

 昨年末の12月27日から発熱が続いているという話だったが、自宅に体温計がない。両親に訊いてもよくわからないという(27歳の息子の体調を詳しく把握する親もないか)。

 発熱が続いて、1月4日にその町の内科医院を受診した。PCR検査(たぶん唾液)を行って、翌5日陽性と判明した。保健所が入院調整を行って、6日当院に入院予定となった。

 その後、飲酒しないと暴れるらしい(?)ということで、いったん当院入院はキャンセルにしますと連絡がきた。さらにまた連絡が来て、とりあえず外来でメディカルチェックをしてほしいという。

 6日に受診したので、発症後11日目になる(12月27日発症が正しければ)。胸部CTと血液検査を外来で行った。両側肺野にすりガラス陰影が多発していた。コロナらしいくりっと限局した陰影と、ぼさぼさとした陰影が混在していた。

 白血球4000(リンパ球23.6%)・CRP7.5と炎症反応は上昇していた。37℃後半から38℃の発熱がある。酸素飽和度は94~97%(室内気)だった。

 ご本人は穏やかな感じで、飲酒量を訊くとビール500mlを3缶くらいという。少なくとも2日間は飲酒していない。保健所のアルコール依存症のような話は違うようだ。これは外来治療というわけにもいかないので入院治療とした。

 このまま経過観察とはできないので、デキサメサゾン6mg/日を使用することにした。体格が良く、むちむちとしていて末梢静脈が見えにくい(採血は手背からやっと取れた)。食欲はあるので、デキサメサゾンは内服で使用することにした(錠数が多くなるが)。

 家族が昨日濃厚接触者(同居者)としてPCR検査を受けた。父親が陽性で母親と祖母は陰性だった。居酒屋に行った二人が陽性ということになる。

 授産施設に来ている人たちのPCR検査を昨日行ったが、全員陰性だった。作業中マスクはしていないらしい。今後は着用を徹底するのだろう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする