なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

懐かしい名前

2021年01月23日 | Weblog

 内科の若い先生から、水曜日に地域の基幹病院救急科から転院してきた91歳男性について相談された。

 患者さんは元内科医で、以前は施設の嘱託医をされていたという。懐かしい名前だった。昔々当方が子供の時に、当院内科(以前の建物の時)に勤務されていた。母親がファンで、この先生が出る外来に合わせて受診していた。

 今回はどうしたのかと訊くと、先週末の朝に自宅の廊下で倒れているところを妻が発見した。何かあっても最期は自宅で迎えたいと希望していて、妻も同意していたそうだ。呼ばれた民生委員の説得で救急要請した、という経緯だった。(民生委員は無報酬で、何か問題があると呼ばれるという大変な仕事だ)

 搬入時は直腸温26℃とあるから低体温としては重症(<30℃)になる。幸い加温により体温が36℃台に戻ったと記載されていた。

 ご本人は自宅退院を希望されているが、老々介護で難しく、療養継続と今後の退院調整のために転院となった。転院(下請け)はふだん当方が扱っているが、新型コロナウイルス感染症の患者さんを6名診ていることもあり、ここ最近は他の先生方に頼んでいた。

 点滴と嚥下訓練を行って、経過をみてもらうことにした。検査結果を確認すると、白血球8400・CRP13.6と上昇していた。画像を確認すると左肺下葉背側に肺炎像がある(CTは当院で施行)。

 先方の病院では頭部CT・MRIを施行しているが、体幹部の検査は胸部単純X線だけだったので、発熱もないので気づかなかったのかもしれない。肺炎の治療を約1週間してもらうことした。スルバシリン(ABPC/SBT)が開始された。

 

 経口摂取が難しい時はどうするかだが、ご本人の希望に合わせるしかない。さすがに認知力が低下しているので、現在の意思確認は有効なのだろうか。文書化したものがないと難しい。

 病室にお顔を見に行った。中年の時のイメージしかないが、勤務されていた時の面影がある。

 

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