なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症

2021年08月20日 | Weblog

 昨日は久しぶりに気温が上昇して暑かった。帰宅しようと病院を出て、駐車場に行くと、ちょうど救急車が病院に入ってきた。

 当直は神経内科医だった。ふだんから、当直の時は基本的に専門の疾患しか受けない、と言っている。脳梗塞疑いの患者さんかもしれないと思いがら帰宅した。

 電子カルテで確認すると、若い人の熱中症だった。その後ももうひとり熱中症の患者さんが搬入されていた。

 

 一人は34歳男性で、午前8時半から草刈りをしていた。水分は充分にとっていたそうだ。午前10時に筋痙攣(両下腿痛)があり、いったん休んで軽快している。その後、また草刈りを再開したいが、また筋痙攣が起こり、夕方からひどくなって救急要請していた。

 搬入時、意識は清明でバイタルは問題なかった。Hb19.1g/dlと血液濃縮があり、血清クレアチニン2.57mg/dlと腎前性腎不全(急性腎障害)になっていた。CKは444と軽度上昇している。

 生食500mlに、乳酸リンゲル1000mlの点滴を外来で行っていた。点滴で症状軽快して帰宅している。

 

 もう一人は21歳男性で、朝8時から戸外でスコップを使って作業していた。夕方になって両下腿痙攣が出現して、救急要請していた。

 Hb17.1g/dlと軽度に血液濃縮があり、血清クレアチニンは1.43mg/dlと軽度上昇、CKは215と正常域だった。生食500ml、乳酸リンゲル500mlを行って、症状軽快・帰宅となった。

 

 水曜日は当直で、その日の朝は気温が下がっていたので、長袖シャツとブレザーを来て病院にきた。木曜日は気温が上がり、夕方も暑かった。

 

 熱痙攣

 四肢・腹部に痛みを伴う筋痙攣がおこるもの。いわゆるこむらがえりを主訴に受診することが多い。汗で失った塩分・水分のうち、水分だけが補充された場合。直腸温38℃以下。急速生理食塩水の投与(1000cc)で帰宅可能。

  (研修医当直御法度)

 腎障害、横紋筋融解の程度がひどい時は入院になるが、筋痙攣だけだと、生食500mlを2本急速に入れて症状軽快することが多い。

「痛い痛い」と言って救急室に搬入されてくるが、生食500mlを入れたあたりで症状が軽減してきて、点滴室に移動してもう1本入れたころには落ち着いている。

 

 

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