なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

日曜日の肺炎

2021年08月24日 | Weblog

 先週末は珍しく病院から連絡が来なかった。新型コロナの4名も病状は安定していたので、他の病棟の患者さんたちも安定しているのだろうと思っていた。

 実際はそうではなかった。入院の2名が肺炎を発症していた。日曜日だったので、指示の通りの対応をして翌日まで経過をみていたのだった。

 

 ひとりは肺癌・脳転移の85歳男性で、今回は尿路感染症と肺炎で入院していた。お盆前に希望もあって、いったん退院として、できれば1か月くらい自宅で過ごせればと思っていた。

 1週間で再入院となってしまった。尿路感染症から敗血症性ショックになって、昇圧薬を使用していて、先週末に中止していた。発熱とともに血圧も低下して、昇圧薬も再開していた。(抗菌薬は週明けまで継続になっていた)

 末梢静脈からの点滴が困難で、入院の時に対応(発熱外来)した先生が、右大腿静脈から中心静脈カテーテルを挿入していた。血液培養2セットと尿培養、さらに喀痰培養を提出した。

 カテーテル関連血流感染も考えたが、発熱時に喀痰が増加して吸引したという。胸部X線で右上肺野と下肺野に浸潤影があり、肺炎再発だった。

 まだ入院時からの抗菌薬が継続していた(週明けに中止の予定だった)ので、通常の肺炎なのかどうかわからない。血液培養の結果をみるまで、中心静脈カテーテルはそのまま様子をみることにした(抜去すれば入れ替えになる)。

 

 もうひとりは左下歯肉癌の93歳男性で、発熱と酸素飽和度の低下があった。こちらは末梢静脈からの点滴とごく少量の経口摂取で経過をみていた。

 まず誤嚥性肺炎だろうと思われた。胸部X線で確認すると、やはり左下肺野に浸潤影を認めた。こちらは誤嚥性肺炎でいいようだ。

 カナダから娘さんが帰国していて、2週間の経過観察とPCR検査を受けてから、当地に面会に来ることになっていた。

 

 発熱が土曜日だと連絡がきたはずだが、日曜日だと翌日まで経過をみてくれたりする。どちらも病状悪化時はDNRになっているのもあるかもしれない(DNRは必要な治療は全部行って、心肺停止時の心肺蘇生のみ行わないということだが)。

 

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