新型コロナの抗体カクテル療法が特例承認された。供給は難しいらしいが、医療機関情報の登録の通達が来ていたので、とりあえず登録の手続きをしてもらった。
適応は「発症から7日以内の酸素投与を必要としない患者」で、「重症化リスクのあるものとして入院治療を要する患者」に限定されている。
重症化リスクは、65歳以上の高齢者、悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満(BMI30以上)、喫煙、固形臓器移植後の免疫不全、妊娠後期、になる。
商品名ロナプリーブ(カシリズマブ・イムデビマブ)で2名分がバイアルに入っている。それぞれの成分600mgを1回だけ点滴静注する。一人分を使用すると、残りは48時間以内に使用しないと廃棄になってしまう。(なぜ一人分ずつのバイアルにしないのだろうか)
呼吸器外来に来てもらっている先生(感染症内科)に使用経験があるか訊いてみた。使用例は2例知っているそうだ。一人は他院で使用して重症化して大学病院に搬送された。もう一人は大学病院の呼吸器内科で使用して、やはり重症化したそうだ。
感染症内科ではまだ使用していなかった。たまたまなのかもしれないが、最初の使用例の印象が悪いと、ちょっと使用をためらってしまうだろう。
別の病院の感染症内科の先生にも訊いてみた。供給が良ければ、今後どんどん使用することになっていく薬剤と言われていた。入院で点滴静注して、症状軽快すれば、入院治療からホテル療養に切り替える(他の患者さんを入院させることができる)のに向いていると言っていた。
東京・大阪ではこの薬を使用して、できるだけ外来治療にするセンターをつくるらしい。自分では使用経験はまだないそうだ。
当院は、ちょっとだけ他院での使用状況をみてから判断することにした。(10日間しっかり入院してもらってかまわない病院なので)