水曜日の当直の時、午後11時55分に腹痛の34歳男性が救急外来を受診した。
1週間前の2日間だけ臍部左側の腹痛があったが、その後は治まったそうだ。その日の昼からまた同部位の腹痛が始まり、持続していた。我慢できず直接受診した。
腹部は力が入って硬くなって所見が取りにくいが、反跳痛はある。虫垂炎かと思って、右下腹部を押したが、臍部左側ほどは痛くないという。
腹部CTで虫垂が正中側に伸びていた。内腔に糞石が3個はある。腸管壁はさほど肥厚していないようだった(軽くみていた)。
この患者さんは仕事で来た当地のホテル泊まっていた。住所は県内で充分通える距離でホテルに泊まる理由がわからなかった。
点滴とアセリオ注で外来で朝まで経過をみて、外科医と相談して、患者さんに都合のいい家から近い病院に紹介することにした。
ところが、腹痛が強くなり、アセリオ注、ソセゴン注を繰り返すことになった。朝方に消化器病せンターのある病院に連絡してみたが、そこは外科医は当直していないので、受けられないということだった。
腹痛は臍部左から右下腹部に移動していた。ソセゴン注を追加して、朝早くに病院に来る外科医と相談して、紹介先を決めることにした。
外科医に相談すると、患者さんの住所に近い手術できる病院に紹介してくれた。午前8時半過ぎで、紹介される病院としては平常営業に時間帯の入っていた。
糞石が詰まって虫垂内の圧が高いことが腹痛が強い原因だろうといわれた(穿孔しやすい、ともいわれた)。