なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

咳喘息

2021年08月15日 | Weblog

 木曜日の呼吸器外来に来ている先生(大学病院)から、咳喘息の48歳女性の入院をお願いしたいと連絡がきた。

 昨年5月初めに発熱・咳があり、解熱後も咳がひどいということで、内科医院から当院の呼吸器外来に紹介されていた。胸部X線・CTで肺炎像はなく、炎症反応も陰性だった。

 当初は遷延する咳という扱いだったが、慢性化して、咳喘息として喘息と同じ治療が継続された。時々咳がひどくなり、プレドニゾロン20mg/日を5日分持たされて、それを使用するようになっていた。

 今回は前日からプレドニンを飲み始めたが、とにかく咳がひどく、予約外で受診していた。連絡が来た時に、声も出ないくらいひどいと言われたので、上気道狭窄が気になった。

 

 発熱はなく、その日検査はしていなかったので、外来で検査を入れた。診察すると、喘鳴は聴取されなかった。酸素飽和度は98%(室内気)だが、咳き込み始めると92~93%に低下した。強制呼気でも喘鳴はなさそうだが、無理に行うと咳き込んでしまうので、正確な強制呼気にはできない。

 咳き込んだ時の酸素飽和度低下はあまり気にしたことがなかったが、普通ちょっと咳をしたくらいでは低下しないだろう。全体的に気道は狭くなっているが、喘鳴を聴取するほどではないということか。

 胸部CTで気道を確認したが、喉頭~気管~主気管支に狭窄はなく、肺野に肺炎像はなかった。白血球は増加していたが、プレドニンによると思われる。CRPは正常域だった。(炎症初期像も可能性もあるが)

 外来治療はテリルジー吸入(ICS/LABA/LAMA)と、テオフィリン200mgとモンテルカスト10mgを夕に内服だった。テリルジーは本来COPDの適応ということもあり、吸入ステロイドがフルチカゾン100μgだった。

 テリルジーが院内処方にないこともあり、フルチカゾン200μgのレルベア200(ICS/LABA)にした。テオフィリンは400mg分2にして、モンテルカルト10mgは継続とした。胃食道逆流症の関与も考えられ、タケキャブ20mgを併用する(ステロイド短期大量のこともある)。

 入院後は、気管支喘息発作に準じて治療することになる。デキサメサゾン8mg/日から開始した。通常は8mg→4mg→2mgだが、症状に応じて投与期間を調整する。

 翌金曜日も咳がひどく(喘鳴はない)、予定通り8mg/日を入れる。呼吸器外来で処方されたメプチンエアーを夜間に何度も使用したそうだが、効かないと言う。おそらく咳喘息では気道の筋収縮はあまりなく、気道炎症がメインのためなのだろう。ステロイドで頑張るしかない。

 土日にかかるので、ここは8mg/日で継続して(大人の事情)、週明けから漸減することにした。

 

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