なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナワクチン接種後に

2021年08月28日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、午前0時直前に56歳男性が呼吸が苦しいという訴えで救急外来を受診した。その前に救急隊から、救急搬入ではなく相談です、と連絡が来ていた方だった。

 その日、市内の大規模接種会場で新型コロナワクチンの1回目を受けた。仕事は大工さんだった。午前中仕事をして、午後からワクチン接種をして、そのまま帰宅していた。

 午後9時ごろに寝たが、午後10時ごろに息苦しい感じがして起きた。息苦しくて死ぬのではないかと思ったそうだ。嘔気がして、何度か吐こうとしたが、何も出てこなかった。

 救急要請して、救急隊は出動したが、意識清明で普通に歩行はできる。発熱はなく、バイタルは問題なかった。通常は自宅の車で受診してもらうのですが、ということだったので、来てもらうことにした。

 診察しても異常はなかった。いらいらして、アーッと叫びたくなると言う。過呼吸の傾向があったが、話を訊いているうちに落ち着いてきた。

 本人は安定剤をもらって帰宅してもいいと言ったが(こちらから提案はしていない)、奥さんは心配で家には置いておけないので、病院に置いてほしいと言う。

 パニック発作にように思えてきたが、既往はなさそうで、断定もできない。看護師さんは、自分から安定剤をというのはおかしいですよね、といっていた。

 当院の検査は午後10時まで放射線技師と検査技師がいるが、その後は帰宅してしまう。必要時は呼び出しになる。(遠方から通っている人は院内にそのまま泊まっているが、その日は2人(女性)とも帰宅していた)大至急検査ではないようだ。

 点滴をして、嘔気止めプリンペラン注とアタラックスPの点滴静注をすることにした。その後、すぐにではないが眠っていたようだ。

 午前6時半ごろに、もうすっかりよくなったので帰宅したいと希望された。8時半から診療が始まるので(迎えに来る奥さんの都合もある)、そこまではいてもらうことにした。

 血液検査はやめて、胸部X線と心電図を確認したが、異常はなかった。もう絶対に2回目のワクチン接種は受けないと言っていた。今回の症状はワクチンとは関係なさそうですと伝えて、次回まで3週間あるのでよく考えてもらうことにした。

 インフルエンザの予防接種はまったく受けていないそうで、今回のワクチン接種は子供の時以来だったらしい。

 

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