飯塚市の大浦荘で指された第57期王位戦七番勝負第四局。
木村一基八段の先手で角換り相腰掛銀。羽生善治王位が先後同型の一歩手前で待機し先手から仕掛ける将棋に。戦いに入ってすぐに後手に誤算があったのではないかと思います。
後手が玉頭を叩いて形を乱したところ。ここで☖8一桂と受けています。こういう手で粘らなければいけない局面なら,ここではすでに先手優勢でいいのではないでしょうか。
☗5五金とやや遊んでいた駒をぶつけて☖6三歩。以下☗5四金☖6四歩☗7一竜☖9二飛☗4三歩成☖5四歩☗3二と☖同金☗8一竜と進みました。後手としては仕方がない手順の連続であったように思います。
☖2六馬と引いて☗4四桂を防いだ手に対して☗4四歩と打ちました。これは取ると4五に歩を打たれて☗4四桂が発生しますので☖6五桂から攻め合いを目指しました。先手は☗同銀と取ってしまい☖同歩。
ここで☗4三金と打つと千日手模様ですが☗4三銀と打ちました。これは先手が優勢とみて打開し勝ちにいった一手といえるでしょう。
☖4四馬と歩を取ったのはおそらく最善の粘り。こうなると☗3二銀成☖同飛は必然。先手は☗5六桂と打ちました。すぐに攻め合うことはできないと☖5五馬と逃げましたがこれは次の☗4四桂打が厳しいのでさすがに苦しそうです。それでも☖4二飛と逃げて☗3二金☖同飛☗同桂成☖同王☗3一飛☖2二王☗2一飛成☖1三王という手順で後手玉は詰まず,先手玉は危険。ですがそこで☗6七桂と打ったのが決め手であったと思います。
後手も馬を逃げている場合ではないでしょうがこれで先手への攻めが続かず,先手の勝ちとなりました。
木村八段が勝って2勝2敗。第五局は30日と31日です。
創造される事物とされない事物だけが存在するわけではないので,『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』の定義論をそのまま適用することはできません。すべての定義Definitioの一般的条件は,これまでの考察から共通性を抽出することで規定されます。
まず定義されるものと定義内容は一対一で対応しなければなりません。定義内容を含むものが定義されるもの以外に存在してはいけません。
次に,定義は定義されるものを知性intellectusが十全に認識するcognoscereこと,いい換えれば知性がそれを能動的に肯定するaffirmareことに資するものでなければなりません。そしてそれ以外のことに資する必要はありません。
最後に,定義から定義されるものの特質proprietasのすべてが知性によって十全に認識されなければなりません。この意味において定義は定義されるものの本性essentiaを含む必要があります。
これらが絶対的な条件になります。いい換えればそれはあらゆる定義に妥当しなければなりません。
これらの条件を満たせるのであれば,定義されるものがどのように記号化されるかは重視しなくても構いません。いい換えれば定義は唯名論に則していても構いません。ただし,それによって第二の条件を満たせなくなる場合があり得るので,すべての定義で定義されるものを任意に命名することは事実上は不可能だといえます。
第三の条件を満たすためには,定義のうちに定義されるものの起成原因causa efficiensが含まれていることが望ましいことになります。そして第二の条件により,その起成原因が定義されるもの以外の概念conceptusに依拠しなければならない場合には,知性が定義されるものと関連付けて肯定できる起成原因であって構いません。つまり,定義されるものと関連付けないで知性が肯定するなら,それが虚構ないしは虚偽falsitasとみなされる起成原因であって構いません。ただし,定義されるものが特定できる何らかの事物ではなく,いくつかの事物に共通する性質であるような場合には,その性質の起成原因は,第三の条件それ自体から明らかなように事物によって異なり得ます。このときには定義のうちに起成原因を一般に示すことはできません。よってそれは望ましいものであり,絶対的なものではないことになります。
木村一基八段の先手で角換り相腰掛銀。羽生善治王位が先後同型の一歩手前で待機し先手から仕掛ける将棋に。戦いに入ってすぐに後手に誤算があったのではないかと思います。
後手が玉頭を叩いて形を乱したところ。ここで☖8一桂と受けています。こういう手で粘らなければいけない局面なら,ここではすでに先手優勢でいいのではないでしょうか。
☗5五金とやや遊んでいた駒をぶつけて☖6三歩。以下☗5四金☖6四歩☗7一竜☖9二飛☗4三歩成☖5四歩☗3二と☖同金☗8一竜と進みました。後手としては仕方がない手順の連続であったように思います。
☖2六馬と引いて☗4四桂を防いだ手に対して☗4四歩と打ちました。これは取ると4五に歩を打たれて☗4四桂が発生しますので☖6五桂から攻め合いを目指しました。先手は☗同銀と取ってしまい☖同歩。
ここで☗4三金と打つと千日手模様ですが☗4三銀と打ちました。これは先手が優勢とみて打開し勝ちにいった一手といえるでしょう。
☖4四馬と歩を取ったのはおそらく最善の粘り。こうなると☗3二銀成☖同飛は必然。先手は☗5六桂と打ちました。すぐに攻め合うことはできないと☖5五馬と逃げましたがこれは次の☗4四桂打が厳しいのでさすがに苦しそうです。それでも☖4二飛と逃げて☗3二金☖同飛☗同桂成☖同王☗3一飛☖2二王☗2一飛成☖1三王という手順で後手玉は詰まず,先手玉は危険。ですがそこで☗6七桂と打ったのが決め手であったと思います。
後手も馬を逃げている場合ではないでしょうがこれで先手への攻めが続かず,先手の勝ちとなりました。
木村八段が勝って2勝2敗。第五局は30日と31日です。
創造される事物とされない事物だけが存在するわけではないので,『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』の定義論をそのまま適用することはできません。すべての定義Definitioの一般的条件は,これまでの考察から共通性を抽出することで規定されます。
まず定義されるものと定義内容は一対一で対応しなければなりません。定義内容を含むものが定義されるもの以外に存在してはいけません。
次に,定義は定義されるものを知性intellectusが十全に認識するcognoscereこと,いい換えれば知性がそれを能動的に肯定するaffirmareことに資するものでなければなりません。そしてそれ以外のことに資する必要はありません。
最後に,定義から定義されるものの特質proprietasのすべてが知性によって十全に認識されなければなりません。この意味において定義は定義されるものの本性essentiaを含む必要があります。
これらが絶対的な条件になります。いい換えればそれはあらゆる定義に妥当しなければなりません。
これらの条件を満たせるのであれば,定義されるものがどのように記号化されるかは重視しなくても構いません。いい換えれば定義は唯名論に則していても構いません。ただし,それによって第二の条件を満たせなくなる場合があり得るので,すべての定義で定義されるものを任意に命名することは事実上は不可能だといえます。
第三の条件を満たすためには,定義のうちに定義されるものの起成原因causa efficiensが含まれていることが望ましいことになります。そして第二の条件により,その起成原因が定義されるもの以外の概念conceptusに依拠しなければならない場合には,知性が定義されるものと関連付けて肯定できる起成原因であって構いません。つまり,定義されるものと関連付けないで知性が肯定するなら,それが虚構ないしは虚偽falsitasとみなされる起成原因であって構いません。ただし,定義されるものが特定できる何らかの事物ではなく,いくつかの事物に共通する性質であるような場合には,その性質の起成原因は,第三の条件それ自体から明らかなように事物によって異なり得ます。このときには定義のうちに起成原因を一般に示すことはできません。よってそれは望ましいものであり,絶対的なものではないことになります。