スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

第三部定理三八&その他の結果

2013-12-26 19:04:22 | 哲学
 ニーチェは『悲劇の誕生』を,作曲家のワーグナー宛の序言で始めています。これは当時のニーチェが,ワーグナーの音楽のうちに,ディオニュソス的なものを見出していたことを示しています。しかし後にニーチェは,ワーグナーの音楽は反動的になったとして,ワーグナーに対して激しい非難を浴びせるようになります。
                         
 このニーチェのワーグナーに対する態度は,ニーチェのスピノザに対する態度に似ているところがあります。ニーチェは1881年の夏に初めてスピノザの哲学を知りました。そしてその哲学に感動し,オーバーベックという友人に宛ててスピノザを絶賛する内容の手紙を書いています。しかしニーチェは後には,スピノザの哲学を反動的な哲学とみなすようになり,あからさまに批判するようになりました。
 ワーグナーはニーチェにとっての同時代人であり,スピノザはニーチェにとっては過去の人です。ですから立場は異なるのですが,ニーチェがふたりに同じような態度をとるに至ったこと,そしてもっと一般的にいうなら,人間がこうした態度をとりやすいということは,スピノザ自身が十分に認識していたことなのであり,『エチカ』には定理として示しています。それが第三部定理三八です。
 「ある人がその愛するものを憎み始めてついに愛がまったく消滅するに至る場合,彼は,それを全然愛していなかった場合よりも―もしその憎む原因が両方の場合相等しいとしたら―より大なる憎しみに捉われるであろう。そしてこの憎しみは以前の愛がより大であったに従ってそれだけ大であるだろう」。
 つまりかつて愛していたものを人が憎むようになると,愛していなかったものを憎むようになるよりも,憎しみだけを眼中に置いた場合の大きさが同一であるなら,もっと憎むようになり,そしてその憎しみの大きさは,かつての愛の大きさに比例するというわけです。なぜそうなるのかはこの定理の証明を参照してください。
 ニーチェのワーグナー,そしてスピノザに対する熾烈なことばの数々のうちには,かつてそれらを愛していたことに対する反動が含まれているといえるのでしょう。

 その他の検査結果についてもいくつか記しておきましょう。
 まず滅多に正常値が出ることがないLDLコレステロールですが,これは67㎎/㎗で,やはり正常値よりも低いという結果でした。ただし10月の通院のときに比べたなら上昇していました。10月は過去最低でしたが,ずっと減少し続けているわけではないということは分かりましたので,心配の必要はないと考えてよいのでしょう。
 8月の通院のときにはクレアチニンに異常が出ていましたが,これは0.80㎎/㎗でした。これは異常だったのは8月だけでしたが,数値としては高めのものが出る場合がほとんどでした。この数値は僕の中では低めの方で,ちょうど1年前,去年の12月の検査結果に次いで低いものでした。2年続けて12月は低いということになっていますが,これはおそらく偶然でしょう。気候によって上下するということは考えられないことではありませんが,それなら今年の2月も同水準でなければおかしいということになりますが,そういう結果とはなっていないからです。
 それから10月は中性脂肪も正常値より低いという結果でしたが,今回は正常値に戻っています。というよりも81㎎/㎗というのは過去最高の数値で,急激に上昇しているといえます。なぜこのようなことになったのかという理由は分からないですけれども,正常値の範囲内ではあるわけですから,これもすぐに何かを心配しなければならないという状況ではないのだろうと思っています。これも今年の2月の検査では低い数値が出ていますから,寒くなって身体が脂肪を貯えるようになったと理解するのには少しばかり無理がありそうです。
 そしてこの日はもうひとつ,カリウムが5.2mEq/ℓで,正常値を上回っていました。この異常は初めてです。カリウムの検査は基本的に腎臓の機能の検査のために行われているものだと思われますが,高くなろうと低くなろうと,それを引き起こす原因というのはひとつではないため,これだけではなぜこのような結果になったのかはいっかな分かりません。ただ一般に高カリウム症といわれるような状態には,数値としては至っていないようです。

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