スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スメルジャコフとK&やり取り

2013-12-27 19:09:42 | 歌・小説
 自分が寺の次男として産まれてきたということが,K自身にとって悪しきノベルティであったということは,『こころ』の読解の可能性として,否定できない一面があると僕は考えます。その場合のノベルティの具体的な意味というのは,自分はこの世に産まれてくるべき存在ではなかったということです。
                         
 ドストエフスキーの小説の数多くの登場人物のうち,自身にKと同じような意味でのノベルティを貼り得たのは,『カラマーゾフの兄弟』のスメルジャコフではなかったかと僕は思えます。僕はスメルジャコフの父はグリゴーリーであるという考えをもっていますが,今はそのことは無視しておきましょう。というのは,この場合に重要であるのは,『カラマーゾフの兄弟』を読んだ上で,スメルジャコフの本当の父親がだれであるのかということではなくて,スメルジャコフ自身が自分の父親をだれであると認識していたのかという点だからです。
                         
 厳密にいうなら,これに関するスメルジャコフ自身の認識がどのようなものであったのかということは,『カラマーゾフの兄弟』に明示されているわけではありません。もっとも,これは逆にいうならば,その認識が明示されていないからこそ,僕のようにその父親がグリゴーリーであると判断することができるという意味であるのかもしれません。
 ただ,ここで重視しなければならないことは,少なくとも『カラマーゾフの兄弟』の登場人物でスメルジャコフと親密な関係にある人間たちは,スメルジャコフの父親がフョードルであるということに,疑いを有しているようには見えないということだと思います。だれしも自分の父親がだれであるのかということについて,確かな判断を下すことはできません。むしろ育っていく中で,そのことを知っていくのです。だとしたら,スメルジャコフ自身が,自分の父親がフョードルであると認識することは,ごく自然なことだといえるでしょう。
 この場合,スメルジャコフは婚外子ということになりますから,自分は産まれてくるべき人間ではなかったと思って何の不思議もありません。そしてそのゆえに,性的な事柄を忌避するようになるのも自然ではないでしょうか。
 このようにみると,スメルジャコフとKのメンタリティーには,とても相通じる部分があるように僕には思えるのです。

 この日は血圧も尋ねられました。事前に計測しておきましたが,プリントアウトされた小さな用紙はU先生に渡しますから,正確な数値は不明。ただ上が100mmHg台で下が60mmHg台であったことは確かです。病院で血圧を計測すると,普段よりも高めの数値が出ることがあるようですが,僕の場合は家で測るのと変りはありません。低血圧に関する問答もありました。
 それから,今回は超速効型インスリンのヒューマログの残量がこれまでと比べると少なかったのです。これには理由がありました。昨年,iPro2レコーダーによる検査の結果,ヒューマログの増量という措置が取られました。夕食前の注射量を,0.1mlにしたのです。その後はそれに合わせてヒューマログが処方されていましたが,前回はそれが0.08mlで処方されていました。実際にはこれは前回からではなく,前々回,今年の8月から元に戻ってしまっていたようです。ただ,前々回と前回の間には,注射針を処方してもらい,そのときにヒューマログも処方されましたので,残量は普段と変わらず,僕は気付いていなかったのです。元々が余分に処方されているので今回は足りましたが,次回も足りるという保証はありません。なのでU先生に伝えて,実際に注射しているのに見合った量の処方をしてもらいました。
 そしてこれは12月の通院ですから,次回は年明けです。これは僕の自己管理ノートが一杯になる時期と重なります。そこでこちらも新しいものをまた受け取りました。
                         
 この自己管理ノートは,カーボン製で,1枚は先生が剥がすようになっているのですが,最近はそれをしていません。新しい血糖値計測機は,血糖値の記録が中に残りますから,先生にとっては不要だからです。したがってこれは僕が記録を記入するだけのものになっています。そうであるなら別に自己管理ノートでなくても構わないのですから,必ずしも新しいものをもらう必要というのはありませんでした。ただ,このノートは数値を記入するだけでよいようになっているので,できればほしいと思っていましたから,もらえたのはよかったです。

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