鼻歌散歩

気のせいだろうか。
すれ違う人に、チラっと見られている気がする。

マスクをしていないからだろうか。
チラっと見られている気がする。

今日は、やっと薬が効いてきて、
副鼻腔炎の症状がほぼ無い。

嬉しい。
金木犀の香りがわかる。

図書館に歩いて行った。
気温はけっこう上がってきているけれど、
乾燥していて風もちょっと有るので、気持ちがいい。

図書館に入る間はマスクを着用した。

外に出たらマスクを外した。
どこを歩いていても、どこかから金木犀の香りがする。
町中が香りに満ちている。

花の香りが嗅げる喜び。
そう言えば今朝は、犬の散歩で行った原っぱで、
朝露のにおいを感じた。
草と水の混じった、しっとりとした空気のにおい。

いい気分なので、ついつい鼻歌が出てしまう。
すれ違う人がチラッと見る気がするけれど、
こんなに良い気候で、歌わずにおらりょうか、と。

「ふ～ふ～ふ～ん　ふふ～ん～ふ～ん～」

やっぱり、完治したわけではない。
鼻歌が鼻声になってしまうなあ。

ちょいと鼻をかんで、スッキリさせてから歌うか。

ポケットからティッシュペーパーを出して、
鼻に当てがった瞬間、かすかな違和感。
息を出してかもうとして、さらなる違和感。

やっぱり左鼻が詰まっているなあ。じゃない。
あー。
ハナミズが垂れないように、左鼻にティッシュを丸めて栓をしていたんだった。
あー。
すれ違う人がチラッと見るわけだ。
あー。
そんな姿でもう一時間以上、散歩してしまったじゃないか。
穏やかな土曜日の午後、たくさんの人出の有る公園を、
鼻栓をして鼻歌うたって歩いてしまったじゃないか。

とほほ



※

ばだささやかな嘘になっでしばっだ。
毎月一日は法螺を書いでおりばず。