犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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フェルトちくちく

2023年04月02日 | 犬と暮らす
抜け毛の季節である。
犬の衣替えだ。

表面を覆う粗い長めの毛ではなく、
その下に生えている細くて柔らかい毛が抜ける。

下の毛が抜けるので、上の毛にまつわってすんなりとは抜けない。
ゆっくりと浮いてくる。
モコモコの塊が、わき腹や太腿やお尻の辺りに溜まる。

これを摘まんで、「ほくっ」と取る時の感触がたまらなく、いい。
日本犬の特徴である。



ウーゴはボディが柴犬である。
耳は焦げ茶、おでこも焦げ茶、鼻は黒地に白い毛だ。
たてがみ部分が少し長めである。

柴犬の血も入っていそうだが、あとは何が混じってんのやら。

柴犬も日本犬らしく、モコモコが溜まって抜ける。
ボディが柴なので、私はこの抜け毛が楽しみだった。

しかし、ウーゴはあんまりごっそりとは抜けなかった。
期待外れだった。

けれど、今季はけっこうよく抜ける。



2年半前に保護団体から引き取って、我が家に来た。

その数日後から、アレルギーが出た。
掻いて掻いて、舐めて舐めて、
前肢におハゲができた。

フードが変わったせいだろうか。
いろいろ試したが、痒いのはおさまらない。

保護団体から貰う前に、アレルギーの有無について質問したが、
「ありません」という話だった。
有るじゃん。と思った。

獣医さんは「ハウスダストかもしれません」と言う。
うーん。
確かに、その年から私が寝るようになった部屋に
どうやらダニがいるようで、私も被害を受けていた。



痒み止めを飲んだら効いたので、「心因性ではない」ということになった。
けれど、
引っ越してきて直後に舐め舐めでおハゲまで発展したのは、
お繊細なウーゴくんのこと、ストレスも無関係ではなかっただろう。

というのも、
痒みは有ってもハゲを作るほどのことは、その後は無かったからだ。



そして、ダニアースを使うことによって、
ついにどうやら痒みが出なくなっている。

これが、今年は「ごっそり」と毛が抜けた理由ではないか、と
私は考えている。
つまり、

今までは痒みが有るので、ちょくちょく身体を掻いていて、
それで抜け毛がこまめに取れていた。

今年は、身体を掻かないので、抜け毛が取れずに溜まっていった。
というわけだ。



モコモコのにこ毛がたんまり取れた。
こりゃあ、フェルトにするっきゃないじゃないの。

犬の毛のフェルトは、北のほうの民族が利用する、
と聞いたことが有る。
でも試さなかった。
というのも、「ただ、すごくクサい。」という話だったからだ。

まあ少々クサくったって、飼い犬のにおいだ。



光浦靖子がフェルト細工の本を出した頃、
近所の友達の間でも大いに話題になった。
私も図書館で本を借りてきて、読んで大いに笑った。

たしか、針で突いて固めていくのだ。
と思って、ニードルで突いてみたが、いっこうに変化しない。
いけない。
それに、指先を針で突いてしまう。
痛い。
いやだな。

You tubeで探すと、飼い犬の毛で飼い犬のちっこい分身を作っている動画が有った。
考えることは一緒ね。
そして、「指を刺します」と言っている。
どうしても刺すものらしい。

それにしても、まとまらない。
キューティクルが健康なのだろう。
熱を加えるといいかもしれない。



16時頃、手芸をはじめ何かとものづくりに詳しい、近所の幼なじみ友人Mに電話した。
もしかして、フェルト用のニードルを持ってらっしゃる?
「持ってますよー。」
貸していただける?
「もちろん。」
今ご在宅?
「はい」



Mは、フェルトニードル2種と、作業の台にするブラシを準備していてくれた。
「専用のニードルでね、表面になんかカエシみたいなのが付いてるわけ。」
ははーん。そんで引っ掛かるんだ。
「フェルト作家さんに聞いたら、指は刺すって。」
やっぱりか。
「立体はものすごい時間がかかるって。」
ゲッ。
「洗剤と熱湯で洗うといいよ。キューティクルを傷めつける。」
あっ、やっぱりそうか。

いろいろありがとう!
やはり、経験者に聞くに限る。





さっそく、抜け毛を食器用洗剤で洗う。
いやきったねえの。


毛をよく絞って、ニードルで突いてみる。
「ザクザクザク」
おお!
なんとも言えない感触だ。

「ザクザクザクザクザクザクザク」
時間をかけてらんない。
「毛が抜けて抜けて、犬がちっちゃくなっちゃいました」という法螺が書きたいのだ。
4月1日の宵のうちに仕上げたい。
「ザクザクザクザクザクザクザク」
電動工具のようなスピードでニードルを刺す。


専用の道具は素晴らしい。
おそろしくはかどった。

つづく

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