寝ている私の肩に、犬が「お手」をしてくる。
「起きて。」
起きてみると、時計の針は0時半を指している。
昼間からの風がずっと強いので、
それを怖がって飼い犬ウーゴくんは眠れないようだ。
「起きて。避難しないと。」
私が寝たふりをしても、続けてお手してくる。
「なんかガタガタ言ってるよ。怖いよ。」
「ねえってば」
私は眠れやしない。
※
ちょっとの物音も怖がる。
壁に映ったスマホのライトも怖がる。
お線香の煙が揺らぐのも怖がる。
荷物をちょいと床に置いても怖がる。
あんまり配慮してやらないと不安がつのって
心が傷付いてしまうだろう。
しかし全てに合わせていたらこちらが疲弊してしまう。
安心させてやることが大事だ。
怖い気がしたけど結局は何も無かったし安心できた、
という経験を積んでいくのだ。
声を掛けて、撫でてやる。
※
そのうち、風が止んだ。
凪(なぎ)だ。
良かった。
これで安心だね。
いや、
ダメだった。
不安な状態になってしまっていて、落ち着かない。
「ねえやっぱり避難したほうがいいよ。」
「ねえ、ねえ、」
と、お手が止まらない。
※
そうするうちに、また風が吹き始めた。
おそらく、さっきまでと風の方角が変わったのだろう。
そうして、朝まで
「ねえ、撫で撫でしてて」
は止まらなかった。
犬の凪は無し。
※
1時間ごとの天気の記録を見てみた。
なるほど、
0時台は南南西の風が強めに吹いているが、
1時台は弱まり、そして
2時台からは北北西の強い風に変わっている。
夕方、少し風が鎮まってホッとしていたが、
どうやら、今度は東寄りの風に変わったようだ。
そして、犬は鼻を鳴らして私を呼んでいる。
今夜はちゃんと眠りたいのですが。
「起きて。」
起きてみると、時計の針は0時半を指している。
昼間からの風がずっと強いので、
それを怖がって飼い犬ウーゴくんは眠れないようだ。
「起きて。避難しないと。」
私が寝たふりをしても、続けてお手してくる。
「なんかガタガタ言ってるよ。怖いよ。」
「ねえってば」
私は眠れやしない。
※
ちょっとの物音も怖がる。
壁に映ったスマホのライトも怖がる。
お線香の煙が揺らぐのも怖がる。
荷物をちょいと床に置いても怖がる。
あんまり配慮してやらないと不安がつのって
心が傷付いてしまうだろう。
しかし全てに合わせていたらこちらが疲弊してしまう。
安心させてやることが大事だ。
怖い気がしたけど結局は何も無かったし安心できた、
という経験を積んでいくのだ。
声を掛けて、撫でてやる。
※
そのうち、風が止んだ。
凪(なぎ)だ。
良かった。
これで安心だね。
いや、
ダメだった。
不安な状態になってしまっていて、落ち着かない。
「ねえやっぱり避難したほうがいいよ。」
「ねえ、ねえ、」
と、お手が止まらない。
※
そうするうちに、また風が吹き始めた。
おそらく、さっきまでと風の方角が変わったのだろう。
そうして、朝まで
「ねえ、撫で撫でしてて」
は止まらなかった。
犬の凪は無し。
※
1時間ごとの天気の記録を見てみた。
なるほど、
0時台は南南西の風が強めに吹いているが、
1時台は弱まり、そして
2時台からは北北西の強い風に変わっている。
夕方、少し風が鎮まってホッとしていたが、
どうやら、今度は東寄りの風に変わったようだ。
そして、犬は鼻を鳴らして私を呼んでいる。
今夜はちゃんと眠りたいのですが。
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