昔々、あるところにおじいさんが住んでいました。
もうひどい認知症で、現実にあったことと、自分の夢だったことの区別もつかなくなってしまっています。
幸福な晩年ですね~
朝烏 早くな鳴きそ 我が背子が
朝明(あさけ)の姿 見れば悲しも
万葉集
詠み人知らず
(烏よ、朝早くなら鳴かないでおくれ。家の人が帰ってしまうから)
おじいさんは、可愛い女性からそんなことを言われたと思っているのでしょうね、、
ほれ、目はでれでれ、口の端からよだれがたれている。
でも、この詩、ずっと昔にご紹介した高杉晋作の
三千世界の烏を殺し
主と朝寝がしてみたい
と同じですね。こちらは花魁のくどき文句なんですけど。
それにしても、私もずいぶんと律儀ですね。
以前、撮る鳥がなくなって、雀や、目白を撮ったときに、今度は烏や鳩なんでしょうねなんて書いていましたけど、男子たるもの、いったん口にしたことは守らねばってことですからね。
まあ、これで烏はすみました。
後は、鳩ですか。