先日、式子内親王の
やにひほふ軒ばの桜うつろひぬ
かぜよりさきにとふ人もがな
(新古今集 2-137)
をアップしましたところ、竹の風音さんから式子内親王の詩は好きだとのコメントをいただきました。
彼は、そのときに
さかづきに春の涙をそそきける
昔に似たる旅のまとゐに
を上げられていました。確かに新古今集のたくさんの素晴らしい詩人の中でも彼女の詩は光っていますよね。
今日は彼女のもう一つ別な詩。
はかなくて過ぎにしかたを数ふれば
花に物思う春ぞ経にけり
(新古今集 2-101)
うつろうように過ぎていった昔を思うと
花を見ながら物思いにふけった春ばかりが思い出される
ちょっと、意訳ですけど、、、
この詩は春の下に入っています。
目の前に花を見ながらこの詩を思い出すよりも、花の終わった今、しみじみと味わうほうがよりあっているように思えます。
それにしても、花枝を送りたい人はあまりにも遠く、、、