夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

朝霧  いすみ市トンボの沼

2009年11月09日 15時14分03秒 |  岬な日々


昨夜、東京に戻りました。
これは昨日の朝、トンボの沼で撮った朝霧の写真です。


日の出前にトンボの沼に出かけましたが、ちょうど日の出くらいに朝霧がでて、周りは素晴らしく幻想的な風景になりました。



夢幻泡影の夢の世界ですね、、、



葦の花穂だけが鈍い朝日を受けて、浮かび上がっています。






タマ

2009年11月09日 10時28分54秒 |   私の小さな恋人たち


12/06/2005 11:28:48 タマ
甘えん坊のタマとお調子者のタマ二つの話を一つにまとめました。

茨城県守谷市に引っ越したとき。
娘は転校の条件に猫を飼いたいと、家の近くにいた野良のメス猫を連れてきて交渉を始めた。
私は動物が好きなので、子供たちにも望めば動物を飼わせてやりたいと思っていたが、子供たちは小児性の喘息やアトピーを発症していて諦めていた。
でもどうしても飼いたい、猫が飼えなければ引っ越さないと言い張るので、もし健康に悪い影響がでなければという条件でOKした。

環境が変わり、それが影響したのか、子供たちのアトピーはあっと言う間に直ってしまい、小児性喘息もでなくなって、娘は猫母さんの役割をせっせと果たせることになった。

引越し祝いを兼ねて実家から柴犬のお婆さんもやってきた。自然が残るところでのんびりと最後を送らせたいとの両親の願いだった。

そこへまた新規加入の家族として入ってきたのがタマだった。そしてすぐ後に、娘がまた野良猫を拾ってきて、家は家族のほかに犬一匹(松姫=マツ)、東京から連れてきたミー、守谷に移ってすぐに家族となったタマ、そして一番新参のクロの猫三匹の世帯になった。



ミーは良くも悪くも普通の猫。途中から飼われたので娘には格別の信頼を示すけど、それ以外の家族には餌をくれる知り合いの人程度の付き合いを崩さなかった。タマもクロもその意味では途中から飼われた猫だったがまったく野良猫の臆病さを持たない、まるで赤ん坊のときから育てられた猫のように振舞っていた。クロには先輩のタマの行動が大きく影響したのだと思う。


タマはその意味では変わっていた。野良猫らしい臆病さを全く持ち合わせていない猫で、拾われてきた初めの日から、昔から家族の一員だったように振舞っていた。

タマが最初に家に来たときに、私はソファーに横たわり昼寝をしていたのだけど、薄目を開けてみていると、しばらく私のほうをものめずらしそうに見ていたタマは、ふっと私の胸に飛び乗ると、ひとしきり私を嗅ぎまわり、顔を舐め始め、喉をごろごろ言わせながら、シャツの襟をくちゃくちゃ噛みながら、踏み踏みをはじめた。
踏み踏みは前足を交互に踏む行為。母親の乳房をそうやって揉んで乳をだそうとした記憶が、離乳がすまないうちに母親から離された猫には大人になっても残るようだ。

小さな子猫が喉をごろごろ言わせながらシャツの襟を噛み、襟周りをつばだらけにして無心に踏み踏みをしているのを見ながら、娘が拾ってきた猫だけど私の猫になっちゃったなって密かに思っていた。


タマが家族になったことで、家の中の動物たちの生活パターンは一気に崩れてしまった。

それまでは柴犬のマツは外の犬小屋と庭。
ミーは家の中と庭の外がテリトリーで、互いに暗黙の淑女協定を結び領地の不可侵を一義としてきた。
そしてこの高遠な平和協定はずっと守られて行くものとみえたのだけど。
ところがタマ(そしてその後に入ったクロはお姉さんのやることを真似ていたので)はそんな既成の概念などはなから無視。

ミーのテリトリーを遊びまわり、ミーに近頃の若い者はって眉を顰めさせるのを手始めに、今度は犬のマツのテリトリーまで犯し始める。マツが庭に出されて、のんびりと昼寝を楽しんでいると、マツの鼻先にきて、ちょうど人間が猫をじゃらすように、前足でじゃれ始める。

マツは老犬だし、格調高い性格の犬。
始めのうちはこのお調子者の小娘を煩そうに見て、そっぽを向いているのだけど、そのうちあまりにも煩いので、叱ろうとちょっかいを出していく。
これがタマの狙い。
マツの反応に輪をかけて、マツをどんどんと遊びの輪に連れ込んでいく。
気がつくとマツとタマは庭中を駆け回り、じゃれあっている。


はじめは大きな犬は怖いと思って敬遠して、横目にしていたミーもクロも、私らも入れてってその輪に入って行き、庭の花や、小さな苗木は全て全滅。芝生までもが禿げてしまった。


タマは人間に対しても同じように積極的に攻撃を仕掛けてきた。
遊びたいときなど、普通の猫は「遊ぼうよ」って擦り寄ってくるくらいだけど、タマは人の目の前で猫じゃらしをやり始める。
どちらが猫なのかわからないような状態になる。

タマの猫じゃらしにかかったときの、タマの嬉しそうな、してやったりっていうような顔を見るために、私はいつもいつも猫じゃらしにかけられていた。


2005年12月5日に以前のブログの二つの話をまとめて掲載したものです。
2009年11月9日に写真を加え、タイムスタンプもこの日に変えました。

モモ

2009年11月09日 10時17分58秒 |   私の小さな恋人たち


私の家の猫ではなかったけど、身近にいたにゃんこの話。

お茶の先生のところにもたくさんに猫がいて、何匹かは私の次客として席についてくれた。
先生は平然として、
「私の先生のところにも猫がいて、その猫が水指の水を飲んだりしてるのね。だから猫の嫌いな人なんかぎょっとして、お茶を飲めなくなるのよ。」ってころころと笑っている。
猫が嫌いじゃなくても、ぎょっとするでしょうとはちょっと言えない雰囲気だった。

ここの猫でモモというオス猫がいた。
私のうちに来る猫は皆メスだったので、オス猫の性格は知るべくもなく、このうちの猫の話はとても参考になった。

真っ白の猫だったけど、どう言う訳か私にはなつかなかった。
「子供と男の人が嫌いな猫なのよ」って先生は慰めてくれたけど。

朝、低血圧の先生は4時にモモに起される。
起きないと、寝室に来て、先生の顔を見ながら障子にばりばりと爪を立てるということ。
だから先生の家の障子はいつも破れが見えていた。

4時にドアを開けてやり、猫を外に出す。
しばらくするとモモが帰宅し、また開けろって大きな声で泣き叫ぶので、ドアを開けにでる。

昼の散歩はまず前の家を訪問。
自宅でちゃんと水を飲んでいても、そこでは大きな声で「来たよ」って鳴く。
そこの奥さんが皿に水を汲んでくるのを待って、それを飲んでから散歩の始まり。「置き水は絶対に飲まないって奥さんが苦笑していた」って、だから盆暮れには付け届けが大変なんだそうだ。

ある日このモモが家の前の道で遊んでいた。
そこを犬の散歩をさせた人が通りかかった。
何が原因なのか判らないけど、急にモモが怒り出し、その犬の尻尾に噛み付いた。
犬は「キャン」と鳴いて、飼い主の影に隠れてしまったのだそうだ。

後で菓子折りをもってその飼い主のところに謝りに行ったら、
「猫に噛みつかれて、泣き声をあげたなんて、この子の沽券にかかわりますので、どうか人には話さないでください」って頼まれたって笑っていた。

ある日突然この猫が家出をした。近所中を探し回っても見つからない。諦めていたら2キロほど離れた家から電話があり、お宅の猫を預かっているという。
行ってみると、その家には可愛いメス猫がいて、そこに夫婦気取りで同棲していたということ。家に連れ帰ってもしばらくするとまたその家に戻ってしまう。何度も何度もその家との往復に明け暮れていたそうな。

この先生、田舎が富山なんだけど、法事があっても、何があっても、まずモモの世話をして、朝一の飛行機で行き、夕方早々には帰ってきて、モモのご飯を作る。
泊まりがけの旅行などはこの子が来てからはやったことがないのだそう。
今でも先生は猫が最優先の毎日のスケジュールを送っている。


2005年12月3日に別ブログから転載しました。
2009年11月8日、写真を追加、タイムスタンプを新しくしました。
   ただし、新しい写真の子は、いすみ市岬町のだるま庵の子。
   この日記の記述とは関係がありませんのでご了承ください。