師匠、そんなに怒らなくても
死ぬまでに一度やりたい夢がある。
小間で大あぐらをかいて、次客の20歳未満の眉目秀麗の肩を抱きながら、片手で茶碗をぐいと引き寄せ、一気のみして、「まずう~い。もう一杯」ってどすんと返す。
できればお茶碗も触ると壊れそうな大名物ならなおよろし。
現実は次客は膝にも乗ってきてくれる。
ありがたいけど、
「ねぇ、タマや。今日は大人しく隣りのお座布で丸くなっていなさい。私のお菓子をなめてもいけませんよ」
残すところあまり無いから、だれか私の切なる夢を実現させてくれないかな~
なんて思いながら師匠の模範演技を拝見しておりましたです。
袱紗捌きを見ていて、「あれっ?」て声が出た。師匠はすぐやり直したけど、あれって表千家袱紗捌きアラモード裏千家だな、きっと。
人に裏の袱紗捌きなんぞを見せるからだ、、、
でも、ごっちゃになった頭で違いがようわかった。
僕ちゃんえらい。
そして師匠は先日誰かの話を聞きに行って、七事式なんていってもお稽古のお稽古ですよって言われて喜んでいた。何を今更。
いつもの師匠とのゴシップ。
先日師匠の友人がヘルプを頼まれ、水屋に入ったらしいけど、取り箸のことで、席主のママと水屋マスターのチイママのお友達が、裏とか表とかでがたがたしたらしい。師匠もチイママのお呼びでヘルプに行っていたらしいけど、あっけにとられていたらしい。
でもね~、お茶事をやれない茶道教授なんてのが出てくるって言うのが私にはわからない。大寄せのがちがちのお茶を茶道だって思っている人が多すぎるよ。あんなもんもただのお稽古じゃない。
猫茶碗以外なら、見立て結構。(猫茶碗だと次客が恨めしそうにこちらをみて、膝を引っかくから) 臨機応変(悋気でなければ)おおいに歓迎。
でもそれを言い出すと皆に白い目で見られちゃうから、どうしても変人仲間だけとの一客一亭の小間の寂寂のお茶しかやれなくなっちゃうんですよね。
嫌いだっていいながら一畳台目が恋しくなる。
なんていうと師匠から、次回のお稽古のために青磁の花器を貸してくれって言われそう。なんせあの方、人の神経を逆なですることが嬉しいらしいから。
はいはい、ついでに青磁の火鉢もお貸ししますので、見立てでこれに茶杓を渡してみてくださいな。それなら広間でも何でもお供いたしますって。