旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 美瑛→札幌

2004-09-03 13:54:09 | ラベンダー紀行
富良野線 美瑛駅 (北海道上川郡《上川管内》美瑛町)

美瑛駅で途中下車印をもらい、駅舎を撮影。駅舎は美瑛石という、こちらで産出される石材が使われており、重厚なものである。丘のまち、美瑛町は風景の素晴らしいところで、私は北海道ではどこがおすすめかと聞かれたら美瑛と答える。他にもおすすめの場所は数多くあるが、ここは札幌から日帰り観光も可能である。富良野よりは美瑛の方が訪れた回数は多い、レンタサイクルに始まり、マイカー、観光バス、レンタカーと何度も訪れた。しかし今日は観光できない。泣く泣く15時23分の旭川行に乗る。混んでいる。座れない。旭川近郊ではこまめに停車して、15時55分旭川着。

旭川駅の富良野線のホームは、他の函館本線、宗谷本線のホームから離れた位置にある。次に乗る列車は16時ちょうどのL特急「スーパーホワイトアロー22号」。荷物を抱えて狭い通路を走って乗り場へ。自由席は混んでいた。札幌-旭川間は30分おきに特急が走っているので次の列車にしてもよいのだが、785系に乗りたい。通路側の席に鞄を置いていた女性が混み合ってきたのを見て、それを膝の上へ動かしたので、すかさず座った。ゆっくりと富良野線から乗り換えた乗客は席がなかったのではないか。

発車した列車は神居古潭付近をトンネルで貫けてゆくと石狩平野に出た。最初の停車駅は深川。今は無き深名線(現在はJRバス深名線に転換)、そして留萌本線に乗るために来た事がある。次の停車駅は滝川。この街では1泊している。そして砂川に停車。函館本線の枝線、上砂川線に乗るために来た事がある。このあたり鉄道に乗るためばかりで街は観光した事はない。その点、富良野や美瑛は観光している。稀有な例である。まだ下車した事のない美唄に停車して、16時56分岩見沢着。

ここも室蘭本線に乗るために下車したことがあるが、観光はしていない。特急券はここまでなのでとりあえず途中下車印を貰って改札を出る。何やら工事中である。キヨスクで缶コーヒーを買って休憩する。ところでここは新篠津村に程近い。「氣まぐれ」「大法螺」も売っているか確認するのをすっかり忘れていた。17時10分発の普通列車で旅を再開する。新型車両でロングシートの電車。旅情はないが、札幌近郊でしか見られない。沿線の鉄道林が見事である。冬の風雪が厳しいのであろう。江別で区快「いしかりライナー」に接続するが、普通列車に乗り続ける。いよいよ札幌に近づいてきた。しかし白石で下車し、その列車は17時50分発車した。

今夜は札幌のホテルに泊まるつもりである。旭川から乗った「スーパーホワイトアロー」も、江別で見送った「いしかりライナー」も、さきほど下車した普通列車も札幌へ行く。しかし私の買った乗車券(帯広→東京都区内)は札幌を経由していないのである。旭川から函館本線でやってきて、ここ白石から千歳線で千歳方面へ向っている。札幌へ行けば白石から無札で乗車する事になる。まあ、札幌で精算すれば済む話だが、ここは乗車券の経路通り、白石で下車して途中下車印を貰う。とはいえ、白石に用なぞない。札幌までの乗車券を購入すると、自動改札を通り、17時56分発の列車で白石を後にした。今度の列車は転換クロスシート。くつろぐ間もなく、18時04分札幌に到着した。 (つづく)


ラベンダー紀行 中富良野→美瑛

2004-09-02 21:40:39 | ラベンダー紀行
富良野・美瑛ノロッコ4号 (中富良野)

ラベンダー畑駅は臨時駅で無人駅だが、JRの社員が切符を売っている。中富良野までの乗車券を購入する。運賃は160円。これから乗る列車は「富良野・美瑛ノロッコ号」。観光トロッコ列車である。この列車に乗ろうとする人でホームが混雑してきた。列車がディーゼル機関車で推されて入線してきた。2両編成で富良野方の客車には運転台があり、機関車を遠隔操作できる。これで折り返すときに機関車を前に付け替える必要はなくなる。それはさておき、2両のうち1両が自由席、もう1両が指定席で、乗車位置が乗客に伝わっていなかったらしく混乱している。客室乗務員「ノロッコレディ」も大変だ。13時39分、列車が発車すると車内放送で沿線の案内をする。先ほど私が訪れたファーム富田、町営ラベンダー園も右手に見えますと紹介する。

わずか1駅でノロッコ号を下車する。下車する客にノロッコレディが町営ラベンダー園のリフト50円引き券を配布している。大忙しである。車内にいる子供が泣いている。聞けばウルトラマンの人形を落としたという。列車とホームの間に落としたそうで、停車中なのでどうにもならない。親は諦めているようである。玩具を残して中富良野を列車は13時43分に発車した。線路内に立ち入るのはご法度だが、玩具を拾い上げる。ここは無人駅だが委託駅らしく駅員さんの姿が窓口に見えるので、玩具を託す。ついでに先程上り列車で下車した時に途中下車印を貰っていなかったので推してもらう。まだ途中下車2駅目。

ラベンダー畑駅には何もないけど、中富良野駅は町の中心だろう。飲食店を求めて駅前を歩く。初めての中富良野では喫茶店でピザトーストを食べたのだが、今はビールが飲みたい。とおりに面して酒屋がある。缶ビールとスナック菓子を購入して駅に戻り、待合室で1杯やる事にした。暑い中歩き回ったせいか、ビールが旨い。今年一番の旨さである。空調の効いたビアホールでちゃんと注いでもらったものよりおいしく感じる。ビールは体調なんだなあと思う。爽やかな北海道だから旨いのだろうと思われるかもしれない。ここは盆地なので湿度も高く暑いのだ。まあ、旨かったんだから仕方がない。

旨かったついでに、先程玩具を託した窓口氏から、この後で使用する自由席特急券を購入する。今夜は札幌に泊まる予定だが、切符は旭川から途中の岩見沢までとする。岩見沢を過ぎると旭川から100キロを超え、料金が650円も跳ね上がるからである。それでも料金は1,100円であった。むろん札幌までに途中下車したい駅がある。

富良野で折り返した先程のノロッコ号が「富良野・美瑛ノロッコ4号」となって入線した。14時18分発車。自由席には空席もあった。次のラベンダー畑で窓側の席が空いたので移動する。そしてドッと乗客が乗り込んできてかなり立っている客もいる混みようとなった。蒸し暑い。ノロッコ号には冷房はない。ノロッコレディが今日ほど十勝岳連峰の山々が見える事はないと強調する。美馬牛小学校も丁寧に紹介する。混んでいて蒸し暑かったが、なかなか楽しかった。名残惜しいが15時03分美瑛着。 (つづく)


ラベンダー紀行 中富良野(後編)

2004-09-01 20:57:47 | ラベンダー紀行
ファーム富田 (北海道空知郡《上川管内》中富良野町)


ファーム富田のラベンダーも素晴らしい色をしている。以前来たときよりも抜群に美しい。見頃を過ぎた頃にきて、ラベンダーの評価を勝手に下げていたかもしれない。何年かに1度、遠方より来るだけなのに、これだけきれいな花を見られてよかった。

道内各地、日本各地からの観光客が多いのだが、台湾からの観光客が実に多い。別のツアーの客同士(と思われる)で何か話している。海外の観光地に行って日本人ばかりだなあと思う事があるが、まさにその台湾版である。中国語のパンフレットでは富田農場と紹介されていた。先ほど富良野から乗ってきた列車にも中国語で利用方法が書かれていた。冬には雪の北海道を楽しみに多くの観光客が訪れるのだろう。私も負けずに台湾に行かねばなるまい。

売店で絵葉書を買う。ラベンダーソフトなるものも買う。薄紫色をしていて、ほのかにラベンダーの香りもしたと思う。お行儀が悪いが、歩きながらなめる。大分長居をしてしまった。次の列車に間に合うだろうか。帯広→東京都区内の乗車券をポケットから取り出そうとするが、見つからない。財布にも入っていない。真っ青になった。運賃は16,380円。帯広→中富良野しか使っていない。運賃は2,420円。これでは13,960円の損である。観光バスが行き交うなか、鞄に仕舞ったつもりはないのだけれど、方々を捜していると、鞄のポケットから中富良野のパンフレットと共に発見された。ホッとした。駅で貰ったパンフレットを切符を仕舞ったのと同じポケットに入れたが、パンフレットを鞄に仕舞った時に、一緒に付いてきたのだ。切符は有価証券で現金と同じである。つい気が緩んでいた。管理はしっかりとせねばならない。

昭和63年(1988)の記念すべき初の北海道、後志管内で特別企画乗車券「道南ワイド周遊券」、上野までの特急券すべてを落としてしまった。損害額は一万数千円どころではなかった。旅行2日目にしてこのトラブル。最寄りの函館本線小沢駅から持っていた特別企画乗車券「青春18きっぷ」で千歳空港駅(現南千歳駅)へ移動。この後の食事代、宿代で航空券を買い、初めての飛行機に乗って夕方には羽田に到着した。わずか1泊2日の北海道旅行だった。千歳空港にモノレール乗車券の自動販売機があるのに驚いた。

今回は無事に切符はあったので、旅行が続けられる。臨時駅のラベンダー畑駅へ急ぐ。しかし切符の捜索に時間を食ったため、本当は発車時刻を誤って覚えていたためだが、駅に着く前に乗りたかった列車は出発してしまった。臨時駅は畑(ラベンダーではない)の中の仮設のホームで、商店も何もない。途中下車をした中富良野まで戻る事にする。 (つづく)






ラベンダー紀行 中富良野(前編) 

2004-08-31 13:35:29 | ラベンダー紀行
町営ラベンダー園
(北海道空知郡《上川管内》中富良野町)


自衛隊の官舎の側を通って、目的地を目指す。ラベンダー園へ向う道は車で渋滞している。駐車場にたどり着くまででも大変そうである。渋滞を横目に歩いて町営ラベンダー園に到着した。ここのラベンダー園は、初めて中富良野へラベンダーを見に来た時に訪れている。懐かしい。冬はスキー場となるそうだが、その時期には訪れた事はない。それにしても、このラベンダーの色はどうだろう。何度かラベンダーを見に足を運んでいるが、今まで見た中で一番良い色をしている。まさに見頃なのだ。

中富良野駅で入手したリフトの50円引券を使い、上まで登ってみる。鞄は預かってもらい、リフトに乗る。冬はスキーヤーを運ぶのだろう。今は板をつけてないので乗るのも簡単である。見頃のラベンダーも良いが、田園風景や十勝連峰の眺望も良い。富良野線を走る列車も見る事が出来た。リフトから降りる。近くでラベンダーを見てみるが、今日の花の色は抜群に素晴らしい。写真に撮るが、この美しさをどれだけ再現できるだろうか。そもそも写真の腕前もよくない。撮影しながら下まで降りていってもよいし、以前に訪れた時にはそうした。ただ今回はリフトは往復となっている。ケチなのか何なのか、乗らなきゃ損だとばかり、半分くらい降りていたラベンダーの咲く斜面を歩いて登る。

リフトで下まで降りてきて、預けていた鞄を受け取ったが、預けていたのは私だけだった。さて、これでラベンダーは終わりではない。ここから歩いてファーム富田へ行く。ラベンダーのはしごである。道路は相変わらず渋滞している。ファーム富田へ行く車で渋滞しているのだ。しばらく歩いて観光バスも数多くやって来ているファーム富田に着いた。人の流れに乗って、ラベンダー畑へ入っていった。 (つづく)


ラベンダー紀行 富良野→中富良野

2004-08-30 00:37:29 | ラベンダー紀行
富良野線 普通 730D列車 (中富良野)

富良野駅で途中下車。朝はおにぎりだけなので腹も空いてきた。待合室に立ち食いそば店があったので、天ぷらそばを注文する。360円也。つゆは関東風。むろん天ぷらは本当の天麩羅ではないが、非常に崩れやすく、すぐに天かす(揚げ玉)状になろうとしている。札幌もそうだったのだが、北海道ではこのくらいのゆるさが支持されているのだろうか。まだ2杯目なので、何とも言えないが。

これから富良野線に乗る。次の列車は11時45分発の旭川行。その次は11時52分発の臨時列車「富良野・美瑛ノロッコ2号」美瑛行である。ゆっくりと走るトロッコ列車なのでノロッコだと思うが、以前に利用した事もあり面白い列車である。しかし、今は少しでも早く出発して観光したい。急いでそばを食べ終えると、改札内に入り、旭川行の待つホームへと行く。ノロッコ号も発車を待っているが、随分と混んでいる。そして旭川行も混んでいて座れない。こういう時はかぶりつきに限る。運転席の側に立ち、前方の風景を眺めるのである。

富良野を発車すると根室本線が左に分かれて行く。富良野線は真っ直ぐだ。こちらの方が開業は古く、道東へのメインルートだったのだ。畑の中を一直線の線路が伸びており、見ていて実に気持ちがいい。普通列車だが、途中の学田、鹿討は通過する。最初の停車駅の中富良野に到着。ラベンダーを見るために途中下車する。ホームと駅舎の間には誇線橋や地下道なぞない。11時52分、列車が発車して線路を渡って駅舎に入った。

ラベンダーが見頃だからだろう、臨時と思われる観光案内所がある。今から目指す町営ラベンダー園には一度行った事があるが、随分前の事なので地図を貰う。リフトの割引券も貰う。荷物が重いが少し歩く事になる。台湾からの観光客らしき人を見かける。アベックで、やはりラベンダー園に行くのだろう。帯広では見かけなかったが、やはり富良野地区は人気があるのだ。 (つづく)