旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

東北6県完全制覇の旅 アキオテ

2006-10-21 16:00:36 | 列車の旅

津軽三味線生演奏 (鰺ヶ沢-五所川原)

鰺ヶ沢に列車は到着。鰺ヶ沢は元小結舞の海関の出身地である。14時39分鰺ヶ沢発。先頭車両の展望ラウンジでは車内イベントとして津軽三味線生演奏が始まった。全ての車両で車内放送を通じて演奏を聴く事が出来るが、折角なので先頭車両に移動し、空席に腰掛ける。普通車の座席も良い。鰺ヶ沢から乗車したのであろう若い女性が、「これで510円は安い」などと話している。列車は海岸を離れて内陸部を行く。津軽の車窓を見ながら三味線や民謡を聴く。


〔走れメロス号〕 (津軽五所川原)

演奏が終わってボックス席の自分の席に戻る。列車は五所川原に到着。車窓から津軽鉄道の津軽五所川原駅が見える。「走れメロス」と書かれた車両が見える。津軽鉄道沿線の金木は作家太宰治氏の出身地である。五所川原で快速〔リゾートしらかみ4号〕と交換する。あちらは今年3月18日に登場したばかりのくまげら編成。これで3種類の編成全てを見た事になる。

津軽平野の林檎畑を行く。御岩木山は曇空で見えない。方向もよく判らない。裾野らしきものが見えて、あれかなと思う。陸奥鶴田から車内イベントの津軽弁「語りべ」実演が始まったようだが、自室に留まる。これは車内放送されない。車内販売が来たのでコーヒーを買う。奥羽本線と接続する川部に到着し、長かった五能線が終わった。列車は進行方向を変え、奥羽本線を弘前まで走る。列車は滑るように進む。五能線と日本海縦貫線の奥羽本線とでは線路の規格が違うから当然なのだが、まさに座敷に上がったような乗り心地である。やがて終着の弘前へ。5時間弱にも及んだ快速〔リゾートしらかみ3号〕の旅が終わった。


奥羽本線 弘前駅 (青森県弘前市大字表町)

これまで特急や高速バスで通り過ぎるばかりで、弘前の改札を出るのは今日が初めてである。弘前城には行ってみたいが、雨が降り始めた。今夜は大館のホテルを予約しているので、弘前の滞在時間は短い。弘前散策はまた天気の良い時にしよう。出掛けないとなると時間を持て余す。大館方面の列車の発車まで時間があるので、青森方へ少し戻り、その列車に乗ろうと思う。再び入場する。E751系の姿が見られる。特急〔スーパーはつかり〕(盛岡-青森)として登場した車両だが、東北新幹線八戸延伸から特急〔つがる〕(八戸-青森・弘前)として弘前に足を延ばしている。プラットフォームで列車を待っていると雨が激しくなってきた。701系が入線する。好きな車両ではないが、仕方がない。意外と混んでおり、先頭車両でかぶりつく。弘前発16時23分。終点の青森まで行きたい衝動にかられるが川部で降りる。青森に行けば北海道に行きたくなるに決まっている。


奥羽本線 川部駅 (青森県南津軽郡田舎館村大字川部)

川部駅は奥羽本線と五能線の分岐駅。先ほど快速〔リゾートしらかみ3号〕で通った駅だ。構内は広い。かつては黒石線も分岐していた。駅前には旅館もあるが、閑散としている。林檎の出荷時期には賑わうのだろうか。駅舎を撮影していると迎えの車を待つ高校生の女の子がこっちを見ている。撮っているのは駅舎だから心配しなくてよろしい。駅の待合室で上り列車を待つ。今度は高校生くらいの私服の女の子がやってきた。携帯電話を片手に何やら操作しているのは都会も地方も同じである。もし電話で話していたら、津軽の言葉を話すのだろうか。

川部発17時00分。これまた意外と混んでいるが、弘前に到着すると、ほとんどの客が降りてしまった。ロングシートに腰掛ける。弘前から乗車した客も徐々に降りて、車内は閑散としてきた。碇ヶ関で少し長めの停車。大阪行の寝台特急〔日本海2号〕の通過待ちだが、当の大阪行は羽越本線不通の為、運休である。停まっている車内は乗客の話し声もせず、深閑としていて雨の音だけが聞こえてくる。矢立峠をトンネルで越えて、青森県から秋田県に戻った。列車は坂を下り、今日の宿のある大館に到着した。駅前は閑散としている。何本もの線路があって、鉄道はかつては活況を呈していたのだろう。 (つづく)


奥羽本線 大館駅 (秋田県大館市御成町)