旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

ザ・ビートルズ:Get Back~DVDコレクターズセットを視聴

2022-07-31 19:07:30 | 歌は世につれ




先日購入した「ザ・ビートルズ:Get Back~DVDコレクターズセット」の
視聴を一通り終えました。3枚組、7時間にも及ぶ収録内容は、想像以上に
ボリューミーでした。それに比例するような映像作品の充実ぶり、これまた
予想を上回る出来栄えで、何はともあれ、まずは買っておいて良かったと
いうのが率直な感想です。

今となっては、この長時間番組の短縮バージョンと言ったほうがわかりよい
映画版(=レット・イット・ビー)を、大昔見たはずなのですが記憶がすでに
曖昧で(本当に見たのかどうかも定かでないくらい)、正確に比較しようが
ないわけですが、おそらく内容の充実具合や作品として完成度の高さ、記録と
しての歴史的意義の重要度などで、この新編集長時間版は、映画版をはるかに
凌駕している思われます。ただ一点、視聴にある一定以上の根気を要する
ことを除いては…

しかし、元々期待のルーフトップ・コンサート場面はもちろんのこと、そこに
至るまでの過程、ドキュメンタリーなパートもほぼ退屈せず見ることはできます。
というか、映像の多くが彼らのセッション(演奏)シーンなので、一挙手一投足を
見逃さまいと必死に追いかけている自分に気づきます。今も残されている珠玉の
名作たちが、生まれ、育まれ、完成に近づくまでを追体験できるんですもの!
ポールマッカートニーが楽曲『レット・イット・ビー』を作曲(練習?)して
いるその横で何気に雑談している関係者たち…「聞けよ!(もったいない!)」
と突っ込み入れたくなっちゃいますよね!


上の写真はセットに封入されていたポストカードで、作品中(ゲットバック・
セッション中)の彼らの様子(立ち位置)を如実に表しているものが選ばれて
いるなあと感心したので紹介しておきましょう。


まずジョンレノン。もっとやんちゃで激しい気性なイメージを私はジョンに抱いて
いたが、ここでの彼は達観者、なにかにつけ仕切ろうとするポールを好きなように
振舞わせ、大人の雰囲気を漂わせる。ほぼ毎時、オノヨーコが付きっきりで隣に
いた故の精神安定なのか? しかし時折見せる茶目っ気はイメージそのままで、
放ったギャグのいくつかはアルバム「レット・イット・ビー」でも効果的に使われ
収録されている。

一番喜怒哀楽が激しいのがポールマッカートニー。溢れんばかりの才能で中盤以降の
ビートルズをリーダー格で引っ張ってきたのは紛れもなく彼で、おかげでいまだに
我々は完成度の高い名盤に触れ合え、試聴できることに感謝したい。しかしそれ(
方向性の違いが明らかになりつつあるメンバーをまとめること)も限界に近づきつつ
あることを自身も察しているのだろう、その苛立ちがメンバーに波及、早くも
セッション前半、バンドは空中分解の危機に見舞われる。

ジョージハリソンの心はすでにここにはないようで、口数も少なく、表情も
ほとんどの場合硬いまま。ポールとの口論を契機に、セッションに姿を見せなく
なる。しかし臨時にオルガン奏者のビリープレストンが加わったあたりから
笑顔が見え始め、最後の力を振り絞るようにルーフトップ・コンサートへ向かう。

今では「ピースおじさん」の明るく陽気なイメージしかわかないリンゴスター。
しかしこのセッション中は口数、笑顔少なく、ポールの指示を受け、黙々と
ドラムを叩いている。メンバー間のいざこざにもほとんど口を挟まず、表情も
まったく変えず飄々としていて、やる気があるのかないのか、一番真意を
はかりかねたのが彼であった。


オノヨーコとリンダマッカートニーが談笑している場面があったり、若き日の
エンジニア時代のアランパーソンズが映っていたり、私としては目から鱗の
希少映像がふんだんに盛り込まれ、見どころが多すぎるのでそのすべてをいちいち
紹介しきれません。やがて解散に至ることになる発端を目の当たりにする一方、
そんな危機的状況にもかかわらずルーフトップ・コンサートを実現させ、のち、
実質的なラストアルバムにして歴史的な名盤「アビーロード」を制作、発表できた
謎の多くが、ドキュメンタリーの一連の流れを追うことで解けたように思えます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大長ナス更新せん定 | トップ | 旅にしあれば(2022.07-2)~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歌は世につれ」カテゴリの最新記事