「バイストン・ウェルの物語を覚えているものは幸せである。私たちはその記憶を記されて
この地上に生まれてきたにも関わらず、思い出すことのできない性を持たされたから。
それ故に、ミ・フェラリオの語る次の物語を伝えよう。」
いくつか変則バージョンがありながらも、ほぼ毎回このようなナレーションで始まるダンバイン、
これがけっこうくどいので、「もういいよ!」と思いつつ聞いていたら、最後の最後、
このナレーションに泣かされます。これを計算づくで最初から考えての演出だとしたら、
やはり富野さんのストーリーテラーぶりは改めてすごいと思います。
写真はボックス2の内容物。イラストはここもすべて湖川友謙さん。
本編に加え、OVA3作品+編集版3編まで収録されているので、かなり見ごたえのあるセットで
あることに違いありません。ちょっと前にブルーレイでボックスセットが再発売されたようで、
現在でもダンバインは入手可能かもしれないです。興味ある方はチェックされたらいかがでしょう。
もはや私には、そうしたボックスものを大人買いできる余力はまったく残されてはいませんが…
キャラデザインは「イデオン」「ザブングル」に続き、三度湖川さんが担当。アフロヘア、
丸顔と、およそヒーローらしくない主人公をつくりあげた湖川さんが、ここでは少し
世間に歩み寄り?主役はまずまずイケメン風。それでもやはり、全体を見渡せばかなり
個性的なメンツぞろいであることには違いありません。
そんな中、群を抜いて可愛くて、一般受けしそうなのがこのシーラ・ラパーナ妃。
最初はちょっと高飛車で小生意気なお嬢様風に登場するも、戦いを通じてさらに品位を高め、
最後彼女はバイストン・ウェルの意思を一身に担うことになるのです。
ボックス2では、ヒロイン=マーベルを差し置いてフロントを飾っているシーラ女王。
ショウを真の聖戦士と見込んで自国で開発した新型オーラバトラーのビルバインを与え、
最後は主役級の働きを見せるシーラですから当然かもしれませんが、なんだかんだ言って
湖川さんもシーラを気に入っているんじゃあないかな。
ミ・フェラリオ(バイストン・ウェル界の妖精的存在)たち。右端がショウと行動を共にし活躍、
我々の記憶を呼び覚ます役目を担うことになるチャム・ファウ。