明日から天気は下り坂の予報に、少々無理して長距離移動
どうにか好条件に間に合わせたものの
現地到着時には疲れ果て、精も根も尽きていた
記念公園対岸の菜の花は予想以上にボリューミー
桜並木と背景の雪山を組み合わせを狙うも
結局、今回は思い描いた写真は撮れなかった
【菜の花と桜並木と飯豊連峰~新潟県新発田市・加治川治水記念公園対岸にて 2023.04.04 撮影】
有名観光地を訪れたこの日は日曜日
撮影時はまだ6:00前だったにもかかわらず
すでにそれなりの人出で
通行人が途絶える撮影機会は、ほぼ絶望的だった
桜の巨木感はむしろそのほうが出ているようにも思うし
スタンプ処理で強制退去していただく必要はなかろう
【北上展勝地の桜並木~岩手県北上市にて 2023.04.09 撮影】
4月30日(火)くもり
早朝、たまたま道の駅でバッタリ鉢合わせた東京のOさんと合流、キトウシ森林公園
へ一緒に行くことになった。
Oさんに、「この冬までこの洞(うろ)にフクロウがいて…」などレクチャーを
受けながら散策、残念ながら春になって、皆姿を消してしまっているとのことだ。
お目当てがいないことで、Oさんはすぐさま道東知床へ長距離移動を開始した。
そこではヒグマが撮影対象だ。GW明けには音更神社へ撮影に行くと話に聞き、
私もその頃まだこちらに滞在していれば顔を出すかもしれないですと答えてすぐ、
自身喪中なことに気がついた。
「喪中だと神社には入っちゃいけないの?」とOさん。年輩者であるOさんは
意外にもそんなこと気にもしていなかったようで、私は、一年間(喪中の間)は
神社内に立ち入れないと聞いた気もするし、鳥居をくぐらなければ入ってOKと
言われたような気もする。「喪中」の正式な決まりを私はよく知らず、神社の件は
おそらくは「人の死=不浄なもの」と考えられていた時代のしきたり(=迷信に
近いような習慣)の名残ではないかと思われ、少し前まで、お葬式帰りに自宅に
入る前、塩をまいていた行為などもそうで、これなども現在は改められている。
宗派などによっても多少違いがあるのかもしれないが、今となっては個人の気の
持ち方でいいように思う。喪中故に年賀状を辞す人もいれば、関係なく出す人も
いるように。
迷信へ真っ向から反逆するのはちょっと気が引ける私などは、もしもの場合、
鳥居の脇から境内にお邪魔することにしよう。
時間のある私はもう少し滞在して、見頃を迎えている山桜の植樹園で粘ってみた。
シマエナガちゃんでもやってこんかいなと願ったが、そう都合よくは現れない。
代わりにやってきたのがキタキツネ。写真わかりづらいが、左奥、低い桜の木の
根元にいる。君が木によじ登ってくれれば、ちっとは絵になるかもしれんがなあ。
期待したような小動物や野鳥にはお目にかかれなかったが、足元ではエンレイソウが
咲き始めていたり、
ニリンソウが花をほころばせていた。
桜餅のような香りに包まれながらの、早朝散歩が楽しい。
この日は午後からも山がきれいに見え続けていて、せかっく山桜も
見頃だし、丘へ撮影に赴いた。旭川~富良野方面にかけ、学校、神社、
公園などにたくさんの山桜が植えられ、それが今いっせいに咲き誇り
とても美しい。しかし残念なのは、そのほとんどが低地、平地に
存在するので、大雪山や十勝連峰を背景に写し込める場所があまり
見当たらない。あのエゾヤマザクラの濃いピンク色と白い山が一緒だと
とても映えるのに。
それで、結局たどり着いたのが深山峠の「さくら園」だ。近年GW明けだと
花が終わっていることがほとんどなので、ここを訪れるのは10年ぶり
くらいか。「峠」だけあって、見晴らしのいい場所にあるこの園は、
桜越しに山並みを拝められる好ロケーションだが、年々木々の枝が茂る
などし、限られた構図でしか写せないのが少々残念だ。
GWの最中、行き交う多くのギャラリーの視線を浴びながら、えせプロ
カメラマンは撮影を敢行した。コブシの白い花が同時に咲いているのが
とても好ましい。
4月29日(月・祝日) 晴れ時々曇り
数日続いた黄砂の影響がようやく収まり、すっきりした晴天となった。久々に
気温も下がり、残雪が再結氷していた。
本日も「元」クロちゃん現場へ。撮影者は私とOさんの二人だけ。もうひとかた、
すぐ近くまでスノーシューでやってきた若い男性は、スノーシューを外そうとせず、
ほどなく立ち去った。
この日は一匹しか活動せず、しかもひと鳴きするとすぐに引きこもってしまうので、
撮影機会はほんのわずかに終わった。せっかく絶好のロケーションなのに。
昨秋楽しませてくれたクロちゃんには結局出会えず、死んでしまったことが
ほぼ確実視された。寿命だったのか、それともオコジョなどにやられたのか?
ナキウサギの寿命は3~4年だと聞く。ご冥福を祈りたい。
きりっとした富良野岳がカッコイイ。
4月28日(日)曇り時々晴れ
駐車場でたまたま合流した北海洋さんと現場へ向かう。しばらくして、昨秋ご一緒した
東京のOさんがやってきて三人での撮影となった。
昨日私が声だけ聞いたナキウサギ二匹が姿を見せる。あまり鳴かないほう(たぶんメス)
は枯草をわりかしのんびりと食んではいるが周囲雪が解けていてあまり季節感なく、
もう一匹はおそらくオスで、鳴くだけ鳴くと、あまり長居せずすぐに引っ込んでしまい、
満足できるような撮影結果は残せなかった。
私は早めに見切りをつけて図書館へ。ここ数日読み続けていた「アリアドネの声
/井上真偽(いのうえ まぎ)著」を完読した。この本は、おすすめミステリー本で
ランキング入りし、朝日新聞紙上で紹介されていたものだ。地下空間に閉じ込められた
「見えない、喋れない、聞こえない」三つの障害をもつ女性をいかにして救い出すか…
水没と火災の危機が発生、タイムリミットが迫っていて、頼みの綱はドローンによる
遠隔誘導だけ…みたいなストーリーは、明らかに推理小説の範疇からは外れているし、
正直個人的にはあまり興味を持てない分野だと思っていたが、いざ読み始めると展開に
引き込まれ、あれよあれよという間に読み終えてしまった。
この本は地元の図書館でずいぶん前に予約済みで、ようやく(たぶん旅から帰宅後
すぐに)順番が回ってくる予定だったものが、ここでは普通に書棚に並んでいたので、
先行して読むことができたのだ。逆に言うと、ここで読まずとも、いずれ近々
借りられるのだから急かなくてもいいものの、チャンスは最大限に活かすべきだろう。
お昼は笹一で、今日は間違えずに「塩野菜らーめんとミニチャーハン」のセットを
注文した。無駄な抵抗かもしれないが、少しでも野菜を補ったほうがいいと思い
野菜をトッピングしたものを優先して頼んでいる。
4月27日(土) 晴れ時々曇り(黄砂飛来)
引き続き黄砂がひどい中、朝からナキちゃん現場へ向かう。長靴乾かず、
登山靴にスパッツを装着して登る。本日はさらに上の地点まで捜索範囲を広げるも、
時折声がするだけで姿を見せず。結局一枚も写真を撮れず、スゴスゴ引き上げる。
気温が急上昇したためか、昨日までつぼみの気配さえほとんどしなかった山桜が
あちらこちらでいっせいに咲きだしたのには驚いた。昨日までコブシの白い花しか
なかったところへ濃いピンク色が加わったことで、景色が一変した。これが
北国の春なのだ。あちこち桜だらけ、こんなに桜の木があったんだなあ。
笹一で「鶏からタマネギポン酢定食」をいただく。
土井商店で上喜元の廉価版「出羽の里・2190円」を購入。安くてうまい!
4月26日(金) 曇りのち晴れ(黄砂ひどい)
昨日冬期間の道路の封鎖が解かれ、望岳台まで車で入れるようになった。黄砂が
気にはなるが、天気は回復傾向、午後から山に入ってみた。
この時期は、雪が固く締まっている…と聞いていたが、中途半端にやわらかく、
時々雪を踏み抜いて陥没、予想以上に苦戦してなきうさ撮影現場へ向かった。
ようやくたどり着くも、周囲静まり返っていて、鳴き声を一度聞いたきりだった。
長靴の上から雪が侵入、あえなく撃沈し、水浸しになってしまった。
岩の上で乾かそうと試みているが、無駄な抵抗なのだ。靴下もびしょ濡れ。
表面が汚れ、あまりきれいではないが、雪を見慣れていない人間は、こういう景色にも
感動する。
夕方にかけて天気はますます安定したが、黄砂が濃くなるばかりで、町は靄っていて
見えない。撮影機材を出せなくて良かったのかも。
約五か月ぶりの笹一へ。久しぶり過ぎて注文を間違える。
「あれ?塩ラーメンにチャーシューって入ってたっけ」と思いきや、
それもそのはず、いつもは塩野菜ラーメンを頼んでいたのだった。
ミニチャーハンとセットで1150円。塩ラーメンのチャーシューは
とろけるように柔らかく、とても美味でこちらも捨てがたいけど、
やはり旅行中、できれば少しでも多めに野菜類を摂取できそうな
メニューを選びたいところ。
ちなみにこの日の夕飯は「ハムカツ弁当」。もちろんこれには、
野菜ってほぼ入ってないからねえ。
4月25日(木) 曇り時々雨
図書館で目についた本は、「探偵小説の鬼 横溝正史~謎の骨格にロマン
の衣を着せて/山口直孝監修」。山口さんは横溝研究で知られた大学教授で、
これまでも戦時下の幻の新聞小説「雪割草」を発掘したり、片岡千恵蔵主演版
映画「悪魔が来りて笛を吹く」のフィルム発見など、数々の業績を挙げている。
横溝さんの生い立ちや素性に関しては、晩年ご本人がエッセイにまとめられる
などし、それを読んで、粗方の知識は持ち合わせていた私。しかし、数冊に分けて
発表されるなどしたことで、やや散漫になっていてわかりにくいものを、この本
では簡潔に時系列にまとめられていて、理解しやすいのがまずいい。しかも大判、
写真も数多く掲載されるなど、ビジュアル面でも訴えかけ、説得力がある。
さらに圧巻なのは、これまで発売された横溝本の表紙が、これでもかと並べられた
写真。横溝作品は中身もさることながら、このインパクトある表紙との相乗効果で、
さらに魅力を高めていることを再認識させてくれる。有名な角川文庫版の杉本一文
さんのイラストはもちろん、近年の全集に描かれた、艶めかしい女性の寝姿の続き絵
など、こうして改めて一堂に会すると壮観だ。その杉本さへのインタビューや代表作の
ノンクレジット・イラストが掲載されているのも見逃せない。
2500円以上するが、横溝ファンなら買って損はない代物だし、発売が20年前
なら、私も絶対に手に入れていただろう。
何度訪れても、撮れないものは撮れないとわかっていながら、このあとの
込み具合や天気等を考えてもおそらく今日が見納めになるだろうと、
再び男山自然公園へやってきた。
一日のことでまるで様相が変わったのが人出の数だ。SNS等で開花状況が
拡散、昨日取材に来ていたSTVのニュースでたぶん紹介され、しかも
明日は雨、諸々要因が重なり、ドッと大挙して押し寄せたのだろう、
広い駐車場があれよあれよという間に埋まっていった。
本日は朝から日差しがたっぷりで、開園時間にはすでにカタクリの花が
開き、反り繰り返っていた。昨日とあまり代わり映えしない構図しか
浮かばないアイデアのなさを嘆きつつ、ダメ元でシャッターを切った。