【極彩色航路~礼文島にて/2015.06.01撮影】
【丘の花畑~旭川市西神楽にて/2015.06.17撮影】
2015年度作品集その12
この朝はピーカン、平凡な夜明けに終わるだろうとあまり期待せずカメラを構えていた。しばらくすると、
突然西から雲が広がり、あっという間に空一面を覆ってしまい、これは最悪、撃沈!とあきらめかけた。
ところが、東の水平線にわずかに開いた隙間から顔を覗かせた朝日の威力はすさまじく、
一面の雲すべてを茜色に染め上げ、また海もその色を映して大空の美しさにこたえていた。
欲を言えば、太陽がもう少し右寄り、利尻岳近くから昇ればさらに良かったのだが、一見さん、
太陽がどこから昇るのかもわからないまま写真を撮っている。手持ちのシステム(16ミリ)では、
これで精一杯だった。
丘の畑の脇に、観賞用の花が植えられているのをほとんど見かけたことがない。農家の方は
シーズン中忙しくて、そこまで手が回らないのがひとつの理由だろう。しかしここにはなぜか
畑のすぐ横に花壇があって、以前から気にはなっていたが、私がよく訪れる7月には見頃は過ぎ、
ほぼ残骸を残すだけだった。
この年は珍しく6月に滞在したので行ってみると、はたして、丘の花畑は盛りで、ルピナス、
マーガレットなどが咲き誇っていた。たぶん最初種をまいたのが自然繁殖し、半野生化して
いるのではと想像する。手入れ行き届いた観光用の花畑よりも、ワイルドな雰囲気で写せたのが
うれしかった。