♪ ちいさな若葉がのびるよに
りょうの手 空にさしあげて
大地のかおり すいこめば
わたしが緑にそまってく
わたしの中からあふれだす
春のさけびは いのちのさけび
こずえをわたる風のよに
春のさけびよ かなたへとどけ
こずえをわたる風のよに
春のさけびよ かなたへとどけ
(春のさけび/詩:宮崎悟郎 曲・歌:谷山浩子)
【春のさけび~東ヌプカウシヌプリのナキウサギ 2023.05 撮影】
6月30日(日) 晴れ時々曇り
この日は元来、週間予報ではあまり天気が良くないはずだったためか、望岳台への
車の数は、昨日よりは控えめだった。日差しは強烈で、焼けつくような暑さだ。
昨日と同じ現場へ。今日は滞在中、ずっと私一人きりだった。昨日よりも高い
パフォーマンスを期待していたのに、周囲も含めほぼシ~ンと静まり返っている。
これが昨日だったら、今日もう一回来ようとは思わなかったはずだ。
昨日一番撮影できたナキウサギは、一瞬走っただけで採食せず、「日向ぼっこ君」
が何度か撮影に応じてくれなかったら、まったく空振りに終わるところだった。
唯一気をはいたのがシマリスで、昨日とほぼ同じ時刻に、ほぼ同じ場所に現れ、
巣穴にしているらしい箇所に出入りした。食べ物を巣穴に運び込んで子育てして
いるようではなく、この行動が何を意味しているのか私には理解しかねるが、
遠征先から時々巣穴の様子を確かめに戻っているのではなかろうか?
撮影者(=私)に驚いたのは一瞬で、あとはマイペースで毛づくろいなどを散々
したあげく、元来たほうへ去っていった。今回撮影機会が少なく、減るペースの
鈍い記録メディアも、シマリスの撮影連写で、一気に残数が心許なくなった。
一区切りついたら交換しようと思ったタイミングで出てくるのが日向ぼっこ君だ。
相変わらず岩の上で動かないので、「ちょっと待っといてや~」とくぎを刺して、
大慌てでメディアを交換して現場へ戻ったところ、さすがに彼もそこまで暇獣
ではないらしい、すでに姿を消していた。
気温が上昇、少し靄っている大雪山。この時点でまだ、北海洋さんが山上にいる
はずなのだが。
帰路、道端で陣取っているおじさんがいたので話し掛けると、「シマリスを
狙っている」という。こんな場所でわざわざシマリス?と訝しく思いはしたが、
まあ話を合わせておいた。というのも、この地点は、数年前キタキツネの巣
(子ギツネたち)を見かけたところだからだ。
この方が真実を話さなかった可能性があっても、「嘘つき」とか「意地悪」と
咎めたりはしない。どこの馬の骨ともわからない奴(=私)から情報が洩れると、
今時SNS等で拡散される可能性があるので、それでわんさか人が押し寄せると、
キツネにも撮影者にも困ったことになるのだ。この方のとった対応は、極めて
真っ当なふるまいだったと思われる。
しかし、気にはなるなあ、今度わざわざ遠回りしてでも様子を見に行ってみよう。
6月29日(土) 晴れ
道内に入って一週間、本日が一番安定した晴天となった。ほとんど陰らないので
車内は蒸し風呂、地獄の車中泊が始まるのだ。
早朝、すでに望岳台の正規の駐車スペースはほぼ埋まってしまっている。あとは
路肩とか、ゲリラ的に無理やりとめるしかない状況だ。
これだけナキちゃんが出ていないと、見学者も少なそうだが、念のため、北海洋さんに
教えてもらった撮影地点へ場所替えしてみた。到着時、周辺からナキウサギの鳴き声が
聞こえてきて、「ここは他の地点とは違うのかも」と期待を抱かせたが、その後
やはり例のごとくシ~ンと静まり返ってしまった。一匹は出てくるとすぐに
岩の上で動かなくなり日向ぼっこモード、何せ皆あまり活発には動き回らないのだ。
それでも、別の個体がイソツツジの花畑で採食する姿を撮れたのと、減っていると
噂されるシマリスと遊べたので、まずはここへ来てよかったとしておく。
この日は私のほかに、ご夫婦連れらしき方と三名のみだった。
山も安定。
下山すると、これでもかというくらい車がギッシリとまっていた。
6月28日(金) 曇りのち時々晴れ
昨夜は雨、その回復がやや遅れ、日中も雲が多く、ところにより霧雨が降っていた。
長距離移動して旭川側に戻り、お昼は東川の「ごはん屋ことさん」に行ってみた。
ここは「定食おかめ」の建物を引き継いで少し前に開店したばかり、気になっていた。
店内は改装され、メニューなどもおかめのコンセプトは原則受け継いでいないようだ。
日替わりランチが「海鮮チャーハン」というのでこれを頼んでみた。この内容で
税込み600円は破格と言っていい。野菜サラダもたっぷり、チャーハンも通常の
1.5倍くらいボリューミーだ。
味、店内の細かな備品などに注文をつけたい部分はいくつかあれど、まずは合格点。
また行ってみたいと思わせてくれた。
天気は回復、雲間からの日差しが厳しい。ここまで、天候不順気味なのが幸いして、
涼しいを通り越して寒いくらいの日もあった北海道、それも今日までで、明日以降は
連日30℃前後の気温が予想されている。
で、午後から望岳台散策に出かけるも、ナキウサギの出の悪さは変わらぬままで、
この日も写真はほとんど撮れなかった。
帰り際、赤茶色の30センチほどの小さなヘビを見かけた。これで成獣なのか、それとも
赤ちゃんヘビなのか?
残念なことに、昨日みどり鮨はお休みだった。ここは「不定休」とのことだが、
基本・水曜日が休みなのだろうか? ここのお寿司を食べたくて、もう一日滞在を
延ばし、東ヌプカへ連日登る気にさせたのは確かだから、結果オーライと考えたい。
「特上生ちらし寿司」が2000円とお値段据え置き。周辺の値上げの加速度感が
増すばかりなので、お値打ち度が高まる一方だ。
これまでと違うネタでは、「いわし」が入っていた。北海道、近年いわしが豊漁と
聞くので、その影響なのかも。相変わらずボリューミーで、お腹いっぱい、
磯自慢がすすむすすむ。
本日は十勝平野に雲海なし。日高山脈は霞んでいる。
ガレ場の現場着。今日は昨日の二の舞にはならないだろう…はずが、昨日よりもひどく、
7:00を過ぎてもまったく音沙汰なし。ナキウサギは強い風を嫌うと聞いていて、
本日の出の悪さはこのためなのか? オーディエンスが計5名になった頃、ようやく
一匹チラッと姿を見せたがすぐ引っ込んでしまい、以降再び沈黙…
8:00を回って女性一人がついにあきらめ下山した直後にようやく登場したのが
おそらくガレ場のリーダー格のオスのナキちゃん。出てきていきなり日向ぼっこ
モードで動かない、おいおい。写真中央付近にいるがわかるかな?
9:00になって二人が離反、○○ファームで馬の仕事をしているという男性と二人に
なってしばらくすると、風が弱まったのを契機にようやく少し鳴き交わすなど動きが
活発化、撮影もちょっぴりできたがあまり満足ゆくものではなかった。このガレ場
周囲に少なくとも5匹程度はいるようだが、どの個体も採食が控え目で、あまり
動き回らず、だいたいすぐに引っ込んでしまうのだ。
予定時間を延長し粘った甲斐があったと思うしかない。10:30頃下山開始。
天気が崩れる前兆なのか、阿寒の山々がとても近くに見えた。
オサムシ、あるいはハンミョウか?
午後から雲が多くなるとの予報、下山時すでに薄雲が広がっていた。
じろう食堂で「ロースかつ定食・890円」。
夕方さらに雲が厚くなり、夜間雨が降った。
6月27日(木) 晴れのち曇り(山上強風)
前日いい目に合わなかったのに、懲りずにもう一回挑戦してみた東ヌプカ。
昨日みどり鮨が休みだったので、もう一日滞在を延ばした裏事情もあるのだが。
すっきりした晴天、登山口の気温は7℃、関西の真冬並みシカなく寒い。シカも、
この時点ですでに強風が吹いていて、嫌な予感シカしない。
笹原にシカがいるのがわかるだろうか?
シカトせず、しかのこのこのここしたんたん、こちらをシカと見ている。
西ヌプカウシヌプリ東斜面に朝日が当たる。
登山道沿いにゴゼンタチバナがいっぱい。
本日もウペペサンケがくっきりと。
約一時間で山頂到着、やっぱりすでにバテバテ。
現場到着、ミヤマオダマキの咲く頃だが、昨年よりは花数は少ないように思えた。
花の種類によっても、当たり外れがあるのだろう。
春と違って、ナキウサギの動きが活発化していることを期待したが、相変わらず
シ~ンと静まり返っている。周囲を含め、鳴き声ひとつ聞こえない。しばらくして、
山歩きメインの76歳の方(江東区ナンバーのレクサス、いったん下山し、続けざま
西ヌプカへ登るそうな)が到着、二人でペチャクチャおしゃべりしてもまったく
状況変わらない。春にたった一匹だけ見かけたオスらしき個体もどこかへ行っちゃっ
たかなとあきらめかけていたら、もうひとり到着。彼は一週間前に数匹見たとのこと、
彼の説によると「7:00頃にならないと現れない」。それでもう少し粘っていると、
ついにオス(たぶん春に見た個体)が鳴きながら登場した。
このオスの鳴き声につられるかのように、周囲でメスらしき個体も鳴き始めた。
しかしいずれの個体も採食行動をほとんどすることなく、すぐに引っ込んで
しまうので、思ったような写真がなかなか撮れない。こっこらしき鳴き声も
聞こえるが姿は確認できなかった。まあでも、空振りに終わるよりも全然いい。
いつの間にか、北大院生の研究者なども含めると10名近い大人数になっていた。
一時と比べるとナキちゃん生息数はぐっと減ってしまい、魅力はかなり薄れたと
思われたが、まだまだ人気があるみたいだ。ここが潮時と、下山を開始した。
登山口到着。
じろう食堂で「大ぶりザンギ定食・840円」。
上士幌町の図書館に「SF少女マンガ全史/長山靖生著」があった。朝日新聞の
書評欄で紹介されていた本だ。とても全部は読み切れないので、萩尾望都さんの
「11人いる!」の項目あたりだけを読むにとどめた。紹介されている中で、
唯一私の手元にある本が、SFマンガの傑作とされる11人いる!だけなのだ。
「生産者還元用ポテトチップス・のり塩味」。
6月26日(水) 曇り時々晴れ
ラジオ深夜便で流れていた美空ひばりさんの「乱れ髪」、やっぱすごい歌やわあと
聞きながら走行していたら、おもむろに東の空が焼け始めたので慌てて停車して撮影。
本来、こういった写真が本業のはずがこのところ疎かで、副業のほうが忙しいので困る。
写真左の山が西ヌプカウシヌプリで、右がこれから登る東ヌプカだ。
登山口の気温が11℃。風も強く、少し寒く感じるほどだ。
登山道沿いのゴゼンタチバナ。当たり年なのか、花がとても多い。
雲海が山肌まで迫る。枯れ枝の間越しに阿寒の山々が運上に浮かぶ。
ウペペサンケ。ここから見る限り雪がまったくなく、すでに盛夏の趣き。
カウンターが再登場していた。
約1時間で山頂到着。すでにバテバテだ。
本日は強風のためか笹の夜露は少な目で、休まずそのままガレ場へ向かう。
白い花はエゾシオガマ?
6月25日(火) 曇り時々晴れ(午後ところによりにわか雨)
天気が回復、やや不安定で雲が多めだが、ナキウサギ観察にまずは絶好の日和と
言えるだろう。ここ数日ではもっともコンディションが良好と思われた。
ところが…(これは春以降ずっとそうなのだが)鳴き声もほとんど聞こえてこず、
ナキちゃん現れる気配がまったくない。二時間くらい音なしで、これは今日こそ
撮影できず仕舞いかと思い始めた時に、ひとり女性がやってきて(やや遠くに
陣取られたこともあり、最初女性と気づかなかった)、それから少し潮目が変わり、
まず私の近くにチラッと一匹姿を見せ、続いて女性が疾走して長躯移動してきた
一匹を発見、私もお声がけいただき一緒に撮影、それが二匹目、すると今度は
私の足元に何の前触れもなく突然一匹登場、すぐ引っ込んじゃったがこれで三匹、
この近辺には推定最低五匹くらいはいそうなのだが、なにせほとんど鳴き声を
発しないので出没状況、行動が読みづらく、どうにもリズムに乗り切れないのだ。
しかし空振りに終わるのとでは気持ち的に大きな違いがあり、写せてよかったよ。
ひとりだと広いフィールドを目配せしきれず、同じような感性で写せる方が
数人いてくれると本当に大助かりだ。
東川の笹一で「塩野菜ラーメンとミニチャーハンのセット・1250円」。
野菜を食べならちかんぞ~
午後天気がさらに不安定、もう一度山には戻らず、思い切って長距離移動した。