旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

憲法記念日に思う

2007-05-03 15:33:48 | 政治経済

 

 日本国憲法は施行60年、今日で還暦を迎えたわけだ。この憲法が60年間に果たした役割は、日本にとっても世界にとっても計り知れないものがあるのではないか。日本が現在の経済、文化大国(?)に成長してきた背景に、この憲法の役割は欠かせないし、世界あちこちの戦争勢力にとって、「国際紛争解決の手段として、戦争武力による威嚇、または武力の行使は、これを永久に放棄する」という宣言は、どこかで“心の重み”になって来たに違いない。
 
日本は、無謀な帝国主義戦争の結果、全てを失った対価としてこの憲法を手にした。この憲法は、国土を全て焦土にしてまで手に入れた“稀有の賜物”と言えよう。だから日本国民は、この稀有の賜物を慈しみ、大事に大事に育て上げて今日まできた。
 
とかくこの憲法は「アメリカ占領軍に押し付けられた」とか「日本人が自ら作ったものではない」などと言われる。成立の経過にそのような要素があったかも知れない。しかしたとえ「与えられた」としても、日本国民はこれを受け入れ、自分のものとして慈しみ、育て上げて、自己の血肉としてきたのである。この憲法は今や誰のものでもない、60年にもわたって珠玉のように守り育ててきた日本国民固有のものである。
 
反面、時代の変遷はこの憲法にいくつかの変質を迫ってきた。その典型が第9条と自衛隊、特にその海外派遣などであろう。変質は、日本国憲法がもっとも輝く箇所、最も稀有な部分(永久に戦争を放棄するという絶対的平和主義)に向けられてきたのである。そして今、現実(自衛隊の存在や、日米軍事協力の強化要請など)と理想(60年にわたって自ら守ってきた平和主義)のはざまで揺れている。国民意識も徐々に改憲思考が強まってきており、趨勢は過半数を越えつつある。もちろん憲法9条を変える意向はまだまだ少数であるが・・・。

 何としても現憲法(特に9条)を守りたい、と思う。

 その思いから、久しぶりに日刊紙5紙を買い込んでその主張を読んだ。その感想は明日。

                      


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