ゴールデンウィークを終わり名古屋出張などに出かけていたら、早くも5月は中旬を迎えている。不順な天候の中にも、季節は確実に夏――《最も明るい季節》に向かっている。
この季節を迎えると、私はアメリカの旅を思い出す。雨の日も曇りの日もあったのであるが、私のアメリカは常に明るく、真っ青な空に向かっていた印象が強い。
アメリカは不思議な国である。建国未だ2百数十年の若い国でありながら、世界の超大国として君臨し、若いだけに粗野な振る舞いも加わって極めて横暴である・・・、と私には写る。戦争好きで、力ずくの外交を展開し、外交の域を超えて実弾を打ち込む戦争を絶え間なくやる国である。個人的な名前を出すのは品を欠くが、ブッシュなど私は好きでない。
ところがアメリカの思い出は尽きない。開放的で明るく、平等で気安く、前述したような粗野な一面を持ちながら分厚い文化を蓄積している国・・・という印象もぬぐえない。実際は大きな較差社会であり人種差別も厳しい国でありながら、民主主義の最先端をいく国、という印象も与えられている。それは母国イギリスが何百年もかけて育んだ民主主義にさえ飽き足らず、新天地にもっと大きい民主主義を花咲かせようとした建国精神に根ざすのであろうか?
とにかく、この季節の旅はアメリカである。私はアメリカに五回旅したが、この季節を中心に《明るい季節》ばかりであったような気がする。
しばらくその思い出を綴ろう。