一回の駆除で、見事にピロリ菌が消えた話を書いたが、わが家にとっては、もう一つ消えたものがあった。
実は私がピロリ菌の検査に行った前日、妻が胆石摘出の手術を行った。長年あたためていたものを、ついに取り除く決心をして入院したのだ。医者の診断では、胆石だけならたいしたことは無いが、若しかして総胆管にも結石が有るかも知れず、そうなるとどうしても割腹手術となるという。妻はあっさりと「割腹して全て取ってください」と応諾しての手術であった。
私は恐らく総胆管も切ることになるであろうと、妻を不憫に思っていたのだが、幸いなことに胆嚢だけの摘出に終った。こうなると処理は早く、傷あとも小さくて済んだようで、木曜日に手術をして日曜日(昨日)には退院となった。医者にしてみれば、このようなものはデキモノを取り除くようなもので病気とも思っていないらしい。まだ動くと痛いと言っている妻は、痛み止めを渡されてあっさり退院となった。術後三日の退院とは結構なことであるが、まあ、医術も進んだものだと思う。
手術終了後、私が子供たちに「お母さんの総胆管に石なく、私のピロリ菌も消えた」とメールすると、娘から、「お父さんもお母さんも、健康に向かっているのね」というやさしい返事が返ってきた。
72歳と66歳の老夫婦(妻は未だ若いが)も健康を取り戻し、新たな生活に向かうこととなった。秋には念願の「ドイツ、フランス、イギリスの旅」に出かけようと、ひそかに案を練っている。