もう四日前のこととなるが、昨年出版した『旅のプラズマ』につきうれしい出来事があった。
帰宅すると食卓の上に一枚のはがきがある。手に取ると大学の同窓生Y君からのもので、次のように記されたあった。
「『旅のプラズマ』をOAZOの丸善で購入後、OTEMATI 1st SQUARE の サロン ド カフェで読了。エスプリの効いた短い言葉で、小気味良く心に残る感想をまとめていることに感心した。・・・・・・」
そのあと、自分の近況を旅とのかかわりで書き綴った、それこそ小気味良い便りであった。
実は彼とは3~4年会っていない。これまでも会うのは同窓会の席ぐらいのもので、特別に親しくしているわけでもなかった。その彼が自分の本を買ってくれて、感想を寄せてくれたことが何よりもうれしかった。
恐らく彼は最近配布された同窓紙で、私の出版のことを知ったのであろう。その同窓紙に編集者が紹介文を載せてくれた。それを目ざとく見つけ早速買ってくれたY君の友情が何よりもうれしかった。
この『旅のプラズマ』は、古希を記念して出版した。それだけにかなりの友人、知人に贈呈したが、Y君までには贈らなかった。私はそのことが悔やまれた。いたずらに自著を贈りつけるなどはしたないことだと思うのだが、その中から「贈るべき人」を選ぶのは難しいことだとも思った。
そして、まだまだ多くの人にこのような不義理をしているのではないかと不安に思った。