一昨日(4月15日)、「新世紀栃木の酒 下野杜氏新酒発表2009」が開催された。既に7回目ということだが私は初めて参加した。
栃木県といえば関東にあって隣組であるが、酒となるととかく新潟や東北が出てきてなじみの薄い感がある。しかしなかなか良い酒が多い。
「四季桜」、「開華」、「天鷹」、「惣誉」、「澤姫」,「忠愛(富美川)」などは、全国新酒鑑評会の金賞受賞の常連(最近20年間で7回以上受賞)。
また、フルネット社の「地酒ランキング」最新版によれば、決して大きい蔵ではないが次のような蔵が評価されているのが分かる。「松の寿」が純米吟醸の部で15位、吟醸の部で25位、「仙禽」が吟醸の部で31位、「鳳凰美田」が純米吟醸で26位、吟醸で38位、「大那」が大吟醸の部で28位、旭興」が純米酒の部で39位など。このような蔵が、食中酒としての酒を手塩にかけて造っていることが、全国の飲み屋さんが選ぶ「地酒ランキング」の高位に顔を出す結果を生んでいるのであろう。
「富美川」さんや「天鷹」さんは、わが純米酒フェスティバルに常に出展いただき、「澤姫」さんや「仙禽」さんを出ていただき、多様な要求に応える多様な酒をご提供いただいている。
初めて接した面白い蔵もたくさんあった。
チラシで「食事との相性を意識して日本酒を造っています」とふれこむ若駒酒造の純米吟醸『かねたまる』や『善十郎』は、<袋つり搾り>と<酒槽(ふね)搾り>の酒を並べて利き酒させていた。袋つりの方が柔らかい味が出ていることに、皆おどろき楽しんでいた。私が「ついでにヤブタで搾った酒も飲ませてくれ」というと、「うちにはヤブタなんてありません。すべて酒槽か袋です」ときた。これには驚いた。まだまだこのような蔵もあるのだ。
西堀酒造の『若盛門外不出』も初めて出会ったがなかなか良い酒だった。このような蔵がまだたくさんあるところに、日本酒の世界の楽しさがあるのだ。
25蔵が出展、料理は地元の食材を使った宇都宮市割烹「酔心」のお弁当、水は日光連山の名水「尚仁沢湧水の郷」,利き猪口は「益子焼のぐい飲み」と、なかなか地元売り込みに工夫を凝らした会であった。