22日、池袋のメトロポリタンで開かれた山形県新酒鑑評会に参加した。既に何年も回を重ねてきた催しと聞くが、私ははじめて参加した。
驚いたのは、山形県の酒だけでなく全国の銘柄が並ぶ会であるということだ。山形県の蔵から43蔵の他、東北・新潟から64蔵、そのた北海道から九州に及ぶ全国から67蔵、総勢174蔵の酒が飲めるという壮大な催しだ。何百石という小蔵から、月桂冠、黄桜、大関というナショナルブランドまで並んでいる。
新酒鑑評会と銘打つだけに、5月の全国新酒鑑評会への出品酒が中心であるので大吟醸酒が主役の会だ。一堂にして全国174蔵の鑑評会を目指す酒が飲めるというのは、酒好き、特に利き酒師たちにとっては絶好の会であろう。それだけに、利き酒能力を誇る面々にたくさん会った。
その点では楽しい試みであるが、率直な感想としては、山形の酒を中心にした会の方が的がしぼれてよいのではないか、と思った。一週間前に栃木の新酒発表会に参加したが、ここでは各蔵とゆっくりお話をしながら回ったので、思わぬ発見などがあったが、今回はあまりに多い酒に目移りして、何がなんだかわからないうちに終わった。
もちろんそれは、私の回り方が悪いのであろうから、会に文句をつける筋合いではない。加えて、かく言いながらも結構楽しんだので念のため。
山形も良い酒が多い。ますます人気の高い「十四代」をはじめ、「出羽桜」がJALファーストクラスの機内酒になるなど全国へ羽ばたいている。「上喜元」、「日本響」、「山吹極」、「秀鳳」さんなど、純米酒フェスティバルに一貫して出展されて素晴らしい純米酒を提供している。
そのほかでも「初孫」、「米鶴」、「大山」、「くどき上手」など以前から飲み親しんできた。このような酒を中心に、地元文化と絡ませた会を計画すれば、「山形の酒」だけで相当中身の濃い発表会になるのではないか…、と思ったまでである。
米鶴梅津陽一郎社長と