今週の週末(27日の日曜日)は、息子の結婚式だ。この齢(75歳)になって息子の結婚式(初婚)はあまり予想していなかったが、これも世相を反映していると言えるのかも知れない。
それはさておき、披露宴に持ち込む酒の選択を息子に頼まれた。これもまた予想していなかったことで、そもそも結婚式場などというところは、決まりきったように大手の酒か有名どころの普通酒や本醸造酒など並べて、持込など一切許さないのが通常だ。料理は立派なのに何故よい酒を選ばないのか、と思いながら飲むのが披露宴の食事の常だ。
そのような文句を日頃から聞いていた息子は、式場側と食事の打合せをする中で、酒について「どんな酒を置いているのか」しつこく聞いたらしい。それを聞いて先方は、そんなに飲みたい酒があるのなら持ち込んだらどうかと提言してくれたようだ。
これは素晴らしい結婚式場だと私は絶賛して、その銘柄の選択を引き受けた。結婚式場として最も心すべきは「客の喜ぶ結婚式」、「顧客満足度」であるはずだ。このようなサービスこそ値打ちがある。
こうして私の選んだ酒が今日ようやく手元に揃った。それは以下の通り。
『亀の翁』(純米大吟醸、新潟)
『米鶴「鶴ラベル」』(純米大吟醸、山形)
『開運 作 波瀬正吉』(大吟醸、静岡)
『梵・吟撰』(純米酒、福井)
『十四代「酒未来」』(純米大吟醸、山形)
つまり、最初の三つがおめでたい酒――鶴、亀と開運(運を開く)、次の二つが話題の酒というわけだ。「梵・吟撰」は今年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(ロンドン)で金メダルを獲得、十四代は言わずと知れた「日本で一番有名な酒」だ。純米酒普及推進委員としては全て純米酒か純米大吟醸としたかったが、大吟醸(醸造用アルコールを適量添加)を1本入れる気配りもした。しかもそれは、大吟醸で金賞を取りまくった名杜氏波瀬正吉の遺品作だ(波瀬杜氏は、残念ながら昨年なくなった)。
などと言いながら、一人悦に入っているのであるが、はたして参列者は喜んでくれるのだろうか? 全国約1350蔵、1万はあると言われる銘柄の中から5銘柄を選ぶというのは、それなりの難事業であるのだが・・・。