旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

さようなら金八先生、お大事に

2011-02-10 10:37:15 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 今日の毎日新聞21面「ザ・特集」は、「3年B組金八先生」シリーズが、3月下旬で終了することを報じている。32年間教壇に立った金八先生は来月定年退職するそうだ。
 私は未だこの番組が続いていたことも知らなかった。ただ、32年前始まった頃はよく見た懐かしいシリーズだ。32年前と言えば1978年、日本の高度成長も最盛期にさしかかり(その後バブルに向かう)、個人的にも広島支店(三井銀行)に転勤した年で激動の時代であった。
 それだけ社会問題も多く、特に学校では校内暴力問題などが山積、それらを先取りしながら真正面からとりあげていったドラマであった。だから長く続いたのであろう。

 特集の中で武田鉄矢氏がいろいろな思いを語っている。本名よりも金八先生と呼ばれることの多いことに、「私は金八ではありません。彼は立派な人間です。私はコンサートの空席や拍手の数を気にするようないやらしい一フォーク歌手です」などと言っているが、反面、「男はつらいよ」で寅さんこと渥美清に、「鉄っちゃん。役者ってえのはね、役名で呼ばれるってえのは、名誉なことことなんだよ」と言われたことを紹介している。また「幸福の黄色いハンカチ」のなかで高倉健に「新人には優しくしてやるんだぞ」と教えられて「ジーンとしちゃった」話など。
 みな長期シリーズを耐え抜いた俳優ばかりで、そこには人知れぬ共通点があるのであろう。

 「金八先生は何を伝えたかったのだろうか?」という問いに武田鉄矢氏は、
 「それは『みんな、勉強しましょうよ』ってことじゃないかな。学びは、人を信じ愛することからでしか始まらない。これまでの歴史を見ると、日本は外国から謙虚な姿勢で学んだから発展した。今の日本もこの姿勢が必要だと思いますよ」
と答えている。そして最後に、「退職する金八先生に武田さんが贈る言葉は?」という問いには、次のように答えている。
 「『あなたの終わりを私の始まりにしますから』。金八のゴールを、私の新しいスタートにしたいと思います。」

 武田鉄矢61歳。32年間「金八シリーズ」で学び、蓄積し続けた糧は、氏のこれからの人生をさぞかし充実させて行くことであろう。


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