旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

仏大統領選とギリシャ総選挙の結果

2012-05-09 20:16:40 | 政治経済

 

 フランス大統領選で現職のサルコジが破れ、ギリシャ総選挙で与党が敗北した。サルコジもギリシャ与党も、EUの要請を受けて財政立て直しを約束してそれに取り組む途上であった。両国国民は、その緊縮財政政策にノーを突きつけたのである。
 考えてみれば両国国民の気持ちはよくわかる。1980年代以降、新自由主義の吹きすさぶ中、資本主義各国は富の一部集中と貧困層の増大を招いた。国の数%に巨大な富が蓄えられその対極に広大な貧困層が蓄積された。アメリカのウォール街やロンドンの都心部にデモが起こり、そのスローガンは「1:99%!」というものであった。1%に巨大な富が集積し、「おれたちは貧困にあえぐ99%だ!」と叫んでいるのだ。
 その貧困層の上に国は緊縮財政で臨むという。最後の頼りの政府が福祉や生活補助などを切り詰める緊縮財政で臨むとなれば、国民の行き場はない。二つの選挙の結果は当然ではなかったか?
 ところで、緊縮財政をとらないで国の財政破たんをどう処理するのか? もはや手はないのである。日本も同じ状況に立ち至っている。国民は貧困にあえぎ国の支援を求めている。しかし国にその金はない。その中で野田内閣は破れかぶれで消費増税を掲げ、貧困層に負担の大きい大衆課税(消費税)に打って出た。フランスやギリシャと違って日本国民は黙っているのだろうか?

 日本共産党がユニークな提案をしている。
 「どこにも金がないようだが、唯一大企業が260兆円の内部留保をため込んでいる。ここは一番、この金の一部をを国民経済に還元してもらおう。たとえば賃上げ(特に最低賃金の大幅引き上げ)や下請け零細・中小企業への単価の切り上げなどでこれを還元、そうすれば需要が喚起され経済は上向く。やがてそれは大企業にも跳ね返へるし、好況になれば国の税収も上向く」 
 確かに、260兆円の10分の1でも還元されれば、日本経済には多大な好況感が生まれるだろう。しかし、それはきわめて難しい。資本は絶対にそれをしないだろう。「せっかく儲けた財産をそう易々手放すわけにはいかない」――これが資本の性(さが)というものだ。究極的には自らの首を絞めることになっても富を手放すことはしない! これが資本というものであろう。
 さてどうすすればいいのか? 


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