オペラといわず、いかなる演劇でも膨大な「下支え」があって成り立つ。舞台で華やかに歌う人に聴衆の目は移るが、その裏に多くの汗がにじんでいる。本人の汗だけでなく、それを陰で支える人々の汗も…。
ソプラノやテノールの澄み渡る声は、メゾソプラノやアルトや、バリトンやバスと調和して初めて美しく響く。それだけではない。舞台の下でオーケストラがそれを支え、舞台を形どる大道具や小道具が、美しい声を際立たせる。また、それぞれのシーンに注がれる照明が舞台を芸術に高める。
この『秘密の結婚』も、多くの「周辺の力」を得て完成している。その点では、ミラノの「スカラ座」もニューヨークの「メトロポリタン歌劇場」も同じであろう。
フィダルマ役の栗田真帆(メゾソプラノ)
使用人役の岩田元
女中役の藤村はるか
栗田さんはミャゴ初登場、パンチのある歌唱力に期待。藤村はるかさんはいわゆる狂言回し役で、岩田さんとともに日本語セリフで舞台をつなぐ。二人とも役者さん。
オーケストラ役を独りで演じるピアノの久保晃子さん
幕間も、激論を交わす久保さんと照明係の沼澤さん
制作・進行 首藤史織