旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

77歳の尾瀬…過酷、しかし美しかった! 

2012-10-20 16:17:58 | 

 

 尾瀬…、正確には燧裏林道から帰ってきました。その行程は、77歳の老人にとっては想像をはるかに超える過酷な道のりでした。それは湿原の平らな木道を歩くだけのものでなく、私にとっては厳しい山登りと山下りの連続でした。しかしそこは、これまた想像をはるかに超える美しい光景の連続でした。以下、いくつかの実感を書き記しておきます。

 「尾瀬(燧裏林道)から帰ってきました」などと書いたが、私はその全行程を歩いていない。朝4時半に桧枝岐村の民宿『郷(さと)』をバスで出発。出発点の御池に着いたのが5時。真っ暗である。小雨模様なのでバスの中で朝飯(民宿の用意してくれたおにぎり)を食べて5時半前に出発。真っ暗であるからみんなヘッドライトだ。そんな準備もない私とワイフは義兄の照らす懐中電灯を頼りに歩く。6時ごろから少し明るくなってくるが、木道を注意しながら歩くことに早くも神経を使う。
   ……
 このような状況であるから、とても本格的な山の会『調布頂会』の皆さんに順調についていくことはできない。もちろん私は、最初から全行程を歩くことはあきらめていた。事前に渡された行程表によると、「分岐点(尾瀬ヶ原と三条の滝への分岐点)」まで2時間、「2つの滝めぐり」2時間、分岐点より帰路2時間で全行程6時間となっていた。
 そこで私は、きつい下り上りの滝めぐりは避けて分岐点で休み、滝めぐりから帰るみんなを待って帰る…、つまり「2時間歩き、2時間休み、2時間帰る」往復4時間と決めていた。ところが出発時点で知らされたのは「全行程9時間」ということだ。つまり、分岐点まで3時間、滝めぐり3時間が実態らしい。
 しかも、想像していた「平坦な湿原の木道」はほんの少しで、湿原の前後は私など老人にとってはかなり過酷な「山登り、山下り」だ。これにはほとほと参って、3時間かけた分岐点からの帰りは3時間半をかけてようやく出発点の御池にたどり着いた。
 もちろん、山の会のルールで、途中で引き返す者をそのまま返すわけにはいかず、サブリーダーの一人である義兄が私とワイフについて帰ってくれた。申し訳ないことこの上ない!

 ここまで書くと悲惨さだけが残るが、湿原や林道を彩る美しさはこの世のものとは思えないものであった。紅葉(黄葉?)は今が盛りで、時々降る小雨は、その美しさを一層引き立ててくれたようだ。景色より足元に気を取られることの多い私にとっても、目の覚める思いであった。

  
       

 

 
 一面“草もみじ”の姫田代(?)で(朝7時ごろ)


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