旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

憲法記念日の論調(2)

2009-05-04 15:07:32 | 政治経済

 昨年もしたように、憲法記念日当日の各紙の社説に目を通した。朝日、毎日、日経、読売、赤旗の5紙だ。

 昨日のこの稿でNHKの日曜討論にふれ、「9条問題でなく25条を全面的に取り上げた点、出色であった」と書いた。
 朝日新聞はほぼそれに近く、「貧困、人権、平和を考える」と題して専ら「25条」と向き合うことを提起している。毎日新聞は、駐日日本大使にナイ教授が任命されたことから説いて、彼の戦略で日本がイラクへの自衛隊派遣に至った面
を指摘しながらも、ナイの「ソフトパワー論」を評価、ブッシュの「ハードパワー戦略」から舵を切りつつあるクリントン国務長官の「スマートパワー重視戦略(ナイのソフトパワーを含む)」支持を主張している。
 日経は、「集団的自衛権をめぐる憲法解釈を見直し、そのうえで自衛隊の国際協力活動を包括的に規定した一般法の制定が要る」と一歩「解釈改憲――改憲」の方向に踏み出している。
 読売はもっと露骨に、「2年前に国民投票法が成立したのに、その後憲法改正論議が失速している」ことに苛立ちを示し、「与野党とも憲法審査会早期に始動させよ」と焦りさえ感じさせる社説を掲げている。
 それに噛み付いたのか共産党は、その読売5面に、前面抜きの憲法擁護の広告を掲げた。併せて赤旗「主張」で、現下の経済危機、国民生活の実情に触れて、「改憲も壊憲も許さず、国民の不断の努力で、現憲法を守り生かしぬく決意」を新たに宣言している。

 どうすれば「健康で文化的な最低限度の生活」が全ての人に保障されるのだろうか? どうすれば「武器のない平和な世界」が訪れるのだろうか?
 私は、「オバマのプラハ演説」の後だけに、核廃絶に向けての新たな息吹が何か出てくるのではないかと期待したのだが、共産党を除いて、そのような動きはほとんど感じられなかった。

 生きることと平和の維持・・・・・・人間にとっての根源的課題だけに、その実現は最も困難なことなのだろう。
                    


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