先月26日に目の注射治療(ルセンティス療法)をやって2週間、今日医師の点検があった。視力、眼圧検査と写真の結果を点検した医師の最初の言葉は、「効きましたねえ。注射は効くんだねえ」というものだった。
視力は0.4と0.5の間と言われた前回に比して今日は0.7と改善、写真の結果「むくみも前回より小さくなっている」とのことだ。
確かに注射後、少しは明るくなったような気がしており、新聞を読むのも楽になった感じはしていた。先生は大いに気をよくしたようで、「1ヶ月後にまた経過を観ましょう。悪くなったらまた注射をやりましょう」と、注射をやる気マンマンのようだ。
そんなことにやる気マンマンになられてはたまったものではないので、何とかこの状態が続いてほしいと願うのみ。ただ、相手は老いという抗しがたき強者(つわもの)だけに、いずれ敗れて再び注射をやる羽目になるのだろう。
これが長生きの代償というものか……
広島カープが開幕3カード勝ち越しという快調な滑り出しだ。27年ぶりの出来事だという。6勝2敗で巨人と同率首位に並んでいる。
しかも昨夜は、エースのマエケンがDeNAを8回5安打無失点8奪三振に抑えた。1対0の勝利を毎日新聞は「前田 1点で十分」と、エースを讃えるにはこれ以上ない言葉で報じた。
初戦は中日を2点に抑えながら延長にもつれ込み、チームは勝ったが勝利投手は得られず、第2戦は1回を三者凡退で抑えながら直後の雨でノーゲーム、何か前途に不安なものがただよっていたがその暗雲を一挙に晴らした。
「俺が投げるときは1点だけは取ってくれ。それで十分だから…」と言える投手がいたら、チームはどんなに頼もしく思うだろうか? これぞエースだ。野村監督は試合後、「打撃陣がもう少し点を取って、投手を楽にしてやらねば…」と言っていたが。
ただ、明日からは巨人戦。最初の天王山だ。福井、九里、大瀬良など若手投手が立ち向かうことになろうが、これが今年のカープのもう一つの看板だ。まだ先は長いが楽しみな一年が始まった。
今日は「山びこの会」の「秩父札所めぐりハイキング」に参加する予定であったが、ワイフが風邪をひいて行けなくなった。私一人で参加してもいいのだが、若し歩けなくなったとき、眼の心配もあり迷惑をかけることになるやもしれず、参加を見合わせた。
不安定な天候であるが、桜は最後の見どころだというし、甲州街道に出るとケヤキが見事に芽吹いていた。気がつけば庭のハナミズキもあっという間に芽吹き、玄関のかいどうも満開を迎えた。
すべてが春を謳歌している。やはり秩父ハイキングに出かけるんだったかなあ…。
甲州街道のケヤキ
玄関のかいどう
庭のハナミズキ
山水舎の日本酒セミナー第三講は、明治大学専門職大学院教授上原征彦氏の「新しい時代の日本酒マーケティング」。流通経済研究所の理事長などを兼職する豊富な経験をもとに、薀蓄ある話をしてくれた。
まず全般的に日本酒の現状をとらえて、次の三点を指摘された。
(イ)日本酒は美味しくなった。しかしお客が減った後おいしくなった点が問題。本来改革は客の居る間になさねばならない。
(ロ)消費は単品としては消費できない。アソートメント、つまり品揃えで提供することが重要。「モノ売り」から「コト売り」へ。酒を売るのではなく文化を売ること。
(ハ)美味しくなったがみんな同じ酒になってきている点が問題。個性がないと伸びない。オンリーワンになること。
上原氏の指摘の通り、戦後の日本酒の歴史は悲しい。アル添三増酒が席巻し、大量販売の波に乗ってパック酒など粗悪品が出回り、日本酒離れが続いた。不幸なことだが東日本大震災で東北の地酒が飲まれるようになり、地酒が育んできた特定名称酒など美味しい酒が初めて知られた。しかしその時、客は居なくなっていたのだ。
しかし遅くはないのだろう。今から本当の日本酒時代が来ると信じよう。
新酒から古酒に至るまで、純米酒を中心にかなり個性的な酒が生まれている。それぞれに物語性を盛った酒(「コト売り」)もたくさんある。上原氏が提起するGI(地理的表示保護制度)なども併せ、「その地の文化を売る」ことに努めていけば、日本酒の新時代は必ず開けるのではないか。
山水舎の酒セミナー第二講は、朝日屋酒店小澤和幸氏による「日本酒マーケット現場からの提言」であった。朝日屋酒店は世田谷区の赤堤にある酒屋さんで、まさに酒消費現場からのユニークな提言であった。
小澤氏の最初の発言も、「日本酒ブームの到来!?」というものであった。!と?マークがついているところに、その行く末に不安もよぎるが、朝日屋酒店のここ3年間の売り上げ状況を見ても、対前年度比で、清酒は22年度107%、23年度120%、24年度110%と伸びており、焼酎の同90.5%、109%、97%、リキュールの同90.4%、116%、99%に対し明らかに伸びている。清酒はこの3年間で1.42倍に伸びているのだ。
もちろん、同店のこの伸びは小沢氏を中心にしたたゆまぬ努力のたまもののようだ。同店は,近くの東京農大醸造科に学ぶ蔵元の子息たちをアルバイトにつかっている。それも単なる腰掛的バイトではなく,相応の時間給を払って,造る立場と研究し合っての使用のようだ。今も、三重の「滝自慢」や京都の「木下酒造」などのご子息が働いている。
また、商圏も半径7キロにかぎり徹底的な顧客開拓に励んでいる。酒の売り込みも一般論ではなく「その酒の個性」を語りかけることを中心に据えている。たとえば、原料は「どこの米」、「どこの水」、「どの酵母」など酒の特性を強調し、また「今年の酒」の個性などを売り込んでいるようだ。
「一般論では酒は売れない」、「うまい酒と売れる酒も別問題。消費者の求める酒を造れば売れる!」とも言っていた。メニュー作りの基本は「本醸造1・純米酒2・純米吟醸2」と言っていたが、これも今の時世と消費者と向き合う中から編み出したのだろう。
最後に、世に人気のAKBセンターの総選挙(人気投票)にならって日本酒の総選挙をやったらどうか、という問題提起をしていたが、これも現場ならではの面白い提案だ。