「狼魔人日記」が沖縄タイムス、琉球新報に勝った日
「シンドラーのリスト」の公表について当日記は6月7日のエントリーで県に警告をした。
その日のコメントで読者の松さんが「海洋博公園の駐車場にシンドラー社エレベーターがある」と書き込みがあり、スピルバーグさんが「死刑台のエレベーター」の恐れありと警告していた。
その時点での沖縄タイムス、琉球新報を含む沖縄メディアは地元の「シンドラーのリスト」としてモノレールに設置された数点のみしか報道していなかった。
沖縄タイムスが「当社の調査によれば」ともったいぶって海洋博公園のシンドラーリストを報道したのは二日遅れの9日の夕刊が初めてだった。
◆沖縄タイムス 2006年6月9日(金) 夕刊 7面
海洋博公園の駐車場に2基/シンドラー社製
東京で死亡事故を起こした「シンドラーエレベータ」製のエレベーターが本部町の海洋博記念公園の立体駐車場にも二基設置されていたことが九日、沖縄タイムス社の調べで分かった。沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所は「これまでトラブルはなく使用に問題はないが、利用者の不安を考慮した」として、八日から使用を中止している。県内の同社製エレベーターは、判明分で二十二基となった。
更に遅れて琉球新報が海洋博公園のシンドラーエレベーターを初めて報じたのは更に二日遅れの昨日(10日)の朝刊であった。
◆琉球新報 2006年6月10日 社会
県内に34基、学校にも3 シンドラー社エレベータ
東京都港区で起きたエレベーター事故の製造元「シンドラーエレベータ」製のエレベーターが、前身の「日本エレベーター工業」製を含め、秋田県を除く46都道府県に8834基あることが9日、同社が国土交通省に提出したリストで分かった。
国交省によると、東京都の1703基が最多。6096基は同社が保守点検をしている。
リストの内容は公表されていないが、施設や建物の名称、住所、設置した年などが記載されているという。
琉球新報社の調べでは、沖縄分は、官公庁分の設置台数が11基、民間分が23基。官公庁施設は都市モノレール駅(4基)、海洋博記念公園(2基)、中城海上保安署(1基)、那覇地裁沖縄支部(1基)、小学校(1基)、2中学校(計2基)。
首里勇治県土建部長はリストに学校が入っていることについて「すでに撤去済みとの情報もあり県としては未確認だ。調査を優先し教育庁に伝え早急に対応を取ってもらう」と強調。「(リストは)信頼性がないので、慎重に精査し、早めに設置台数を県民に公表したい」と話した。県は民間分の施設名の公表は慎重に行う方針。
なお、リストの官公庁分には、県が設置を把握している農業研究センターと県動物愛護センターは含まれていない。
今後、県はリストを基に設置個所を台帳から特定。管理者への点検を指示し結果の報告を求める。
国土交通省への報告期限は28日。 (6/10 9:50)
6月8B日木曜日。
その日、小さなブログ「狼魔人日記」がマスメディアに勝った
一寸オーバー?
6月7日当日記は「シンドラーのリスト」に関して初めてエントリーした。
その時触れた事故についての「ハインリッヒの法則」を判りやすく書いたコラムを見つけたので下記に転載する。
河北新報 河北春秋
自然科学に限らず、日常の営みの中にも法則はいろいろ存在する。突発事故に見えても陰に「ハインリヒの法則」が控えるのは有名▼これを無視すれば、とんでもない一大事を招く。東京で起きたエレベーターによる死亡事故。高校生には全く過失がないゆえ、理不尽も甚だしい。メーカーのシンドラーエレベータの責任は重大だ▼「1‥29‥300」がこの法則の唱えるところ。「一つ」の大事故の陰に「29」の軽い事故があり、そのまた陰に「300」の小さな事故がある―。どこぞの自動車メーカーの醜態は典型だった▼一つの重大事故の後、シンドラー製には全国から300件ものトラブルが寄せられた。妙な暗合でなく、法則の正しさと受け止めたい。メーカーや保守点検業者は、小さな不具合を無視し続けたと言われても仕方ない▼職場のリーダーにはPM理論が及ぶ。部下を叱咤激励(しったげきれい)するのがP型、和気あいあいがM型。双方備えていれば理想的だが、二人で相補い合ってもいい。事故を減らすために有効なことが実証されている▼「マーフィーの法則」もある。間違う可能性のあるものは必ず間違う―。ごく当たり前の理屈。例えば隣り合った配線があり、双方ともつなぐことができるといった状況だ。殺人エレベーターはどんな法則に支配されたのか。
(2006年06月09日金曜日 )
蛇足「ハインリッヒの法則」に関しては、当日記は「河北新報」にも勝った
蛇足②:「自分で自分を誉める」自己陶酔のことを、沖縄方言では「同誉め」⇒「どぅーふみー」という。