今朝のみのもんた「朝ズバ!」はゲストに福島瑞穂社民党党首を招いて、
「子供を二人以下しか生まない女性は不健全か」
「柳沢大臣の女性蔑視の体質が見える許しがたい発言」
「すぐ辞めろ!」
とバカバカしい議論。
議論が一段落した時、みのもんたがクイズを出した。
「今の出生率で行くと西暦3000年には、日本の人口は何人になるか?」
選択肢は①2900万人、 ②290万人、 ③29万人、 ④29人
福島議員が「良く分からないので、勘ですが」と前置きして、
④の正解を当てた。
ん? ・・・と言う事は、夫婦が二人以上の子供を持たなければ日本国は人口29人の国になってしまうってこと?
「これって健全な国の姿なの」と、その場で福島党首に突っ込みを入れておれば、みのもんたの株も上がっただろうに。
きょとんとした顔の福島党首と、消化不良のままの顔のみのもんたが折角のネタをダメにしてしまった。
朝日は消えかかった焼けぼっくいに火を点けようと必死の記事。
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柳沢厚労相「結婚・子供2人、健全」発言に疑問の声
柳沢厚生労働相の発言が、また波紋を広げそうだ。野党側が国会運営の正常化に向けて動き始めた矢先。「女は産む機械、装置」発言の波紋が残る中、6日の会見では若者が「結婚し、子どもは2人以上持ちたいという健全な状況にある」などと語った。識者からは改めて疑問の声が上がった。
コラムニストの天野祐吉さんは「結婚願望とか子どもの数を、統計データを基に、多数派、少数派というならいいが、『健全』という言葉を使うのがおかしい。『産む機械』発言と奥の方でつながっている気がするし、失言というより、彼の人生観、社会観が出たんだろう」とみる。その上で「少子化担当のポストは無理だと思うが、柳沢さんはある意味正直に発言しただけ。政治家だけでなく、多くの人たちの中に無意識に残っているこうした考え方がなくならないと、大臣を代えても問題は解決しないと思う」。
心理学者の小倉千加子さんも「結婚したい、子供が2人以上ほしい、というのを健全とすること自体、古い道徳観からくる発言で、年齢的な限界を感じる」と言う。「こういう発言が止まらない人が厚生労働大臣をしているから、ピントのずれた政策が続き、少子化が止まらないのだと思う。(夫の発言をメディアでしかった)奥さんはずっとまともな方のようだから、これからは外で何か発言する前に、奥さんにチェックしてもらった方がいい」と話した。
一方、大日向雅美・恵泉女学園大教授(発達心理学)は「発言は適切でないが、これを単なる失言の上塗りと取るべきではない」と指摘。「少子化対策で必要なのは、産みたいと思う人が安心して産める環境整備。その責務は国にあることを厚労相は心にとめて施策に励んでほしい」と言う。
また、タレントの遙洋子さんは「自民党内で『極めて理知的で温厚』と言われる柳沢大臣ですら、端々に女性を傷つける一連の発言をする価値観にとらわれているのがこの国だ、と知るいい契機になる」と話した。
与党・公明党の浜四津敏子代表代行も不快感を示した。6日午後、国会内で「少子化問題の本質や背景についての誤解があるから、同じような発言が出てくるのだろう。『たくさん産んでね』という発想が違う。女性はほとんど怒っていると思う」と語った。
〈柳沢発言要旨〉
家庭を営み、子どもを育てるということには、人生の喜びがあるんだという意識の面で、自己実現といった広い範囲で、若い人たちがとらえることが必要だと思う。他方、ご当人の若い人たちは、結婚をしたい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけです。そういう若者の健全な希望に、我々がフィットした政策を出していくということが大事だと思っている。
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識者の先生方や朝日の記者さんはよっぽど心が捻じ曲がっているのだろうか。
それとも国語の読解力欠如なのか。
結婚した若いカップルの中には自分達の人生を楽しむ為「子供は要らない、仮に産んでも一人で充分」と言う人が多いと聞く。
果たしてこれが健全な結婚の姿なのか。
ここでは個人の倫理を問うているのではない。
少子高齢化する日本の将来を憂う担当大臣なら、どちらが健全か答えかは自明だろう。
通常「出生率」と言う言葉を良く使うが人口統計上は「合計特殊出生率」と言うらしい。
それで、合計特殊出生率とは、一人の女性が一生に生む子どもの数を示す。(これを分かりやすく説明して「子供を生む機械」発言が出た)
この数値によって、将来の人口の自然増減を推測することができると言う。
さらに「期間合計特殊出生率」という専門用語が出てくる。
一寸専門的になるが我慢して「ウィキペディア」を引用すると、「期間合計特殊出生率」とは
「女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までと規定し、それぞれの出生率を出し、足し合わせることで、人口構成の偏りを排除し、一人の女性が一生に産む子どもの数の平均を求めた。」数値と言うことらしい。
合計特殊出生率が高ければ、将来の人口は自然増を示し、低ければ自然減を示すことになる。
仮に、調査した男女比が1対1であり、すべての女性が出産可能年齢以上まで生きるとすると、合計特殊出生率が2であれば人口は横ばいを示す。
一方、これを上回れば自然増、下回れば自然減となるはずである。
しかし、実際には生まれる子どもの男女比は等しくないし、出産可能年齢以下で死亡する女性がいる。
それで実際には自然増と自然減との境目は2.08とされている。
日本の場合は合計特殊出生率どうなっているか。
2003年は1.2905。
2004年は1.2888。
2005年は1.26。
毎年低下記録の更新中である。
これでは日本国は滅亡してしまい、けして「健全」とはいえないだろう。
人口増減の出生率の分岐点が2・08人となると、柳沢大臣の言う「健全」も良く理解できる。
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野党は政策論議で存在感を示せ!確かに「柳沢厚労相は辞任すべし」という世論調査結果もあるが、国会審議を拒否するという戦術に国民は共感しただろうか。昔の日本社会党の姿が思い浮かんで、「結局は反対野党なんだ」という印象を与えたのではなかろうか。
柳沢厚労相が「2人以上子どもを持ちたい若者」を「健全」と表現したことに噛みついた野党幹部の発言もどうかと思う。「女性蔑視(べっし)が頭の中に染み付いているようだ。看過できない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)、「かつての『産めよ増やせよ』とお国のために子どもを産んだ考えと同じようだ」(国民新党の亀井久興幹事長)([柳沢厚労相]子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車)というのは、柳沢厚労相の言葉尻をとらえて“非難のための非難”を口にしているだけではないか。野党は少子化対策をどうしようと考えているのか。揚げ足取りに終始せず、政策論議に重点をおいてもらいたいものだ。
国会正常化して審議入りしたら論争の中心に何をおくかが問われよう。そこでも柳沢厚労相の発言を中心にすえて、政策そのものの論議をなおざりにするようなら、政権担当能力はなく、国会闘争を旨としている野党でしかない、という印象を与えてしまうだろう。与党をうならせる政策論争を展開して、政策の主張でこそ存在感を示せるようにならなければ、“政権を担える政党”とは思われないし、二大政党時代というのも幻想でしかない、というしかなかろう。【了】
■関連情報
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参照記事:
[柳沢厚労相]子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車
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パブリック・ジャーナリスト 小菅 俊幸【岩手県】
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