★錦織圭。
準決勝、フランスに敗れた。
1セット目は圭の圧勝で、かつあんなに伸び伸びとプレイをしている圭を観るのは初めてだった。これだったら2セット目も楽勝だな、と思っていたら、あにはからんや、3セットも含めて圭の完敗で終わった。
技術的には、フランスの1stサーブの威力が圭より優っていた。ビッグサーバーというより、シャープなサーブが際立っていた。
またストローク戦、相手のサーブを凌いで、ストロークで追い詰めるのが圭のスタイルだが、ストローク戦でも圭の完敗だった。フランスの繰り出すストロークの精度と鋭さが圭を上回っていた。
また、何度もジュースに持ち込み、圭はアドバンテージを物にして、あと一歩で勝利できるシーンが何度もあったが、結果的にはフランスに持っていかれた。これは決め手不足のせいだろう。
さて、いずれにせよ、圭のいない日本のテニスは有りえない。
これからの圭の課題は、サーブの磨きというより、ストローク戦のシャープさと精度だろう。サーブは体格勝負だから、圭の場合、身体が小さいからこれ以上の向上は無理。
世界トップ4のテニスを観ていると、サーブも凄いが、ストローク戦の切れと精度、つまりほとんど失敗しない、ある意味、神がかり的なショットを連発してくる。そこを圭は乗り越えないと、たまに勝つことはあっても、トップ4に伍することは難しい。
また、圭は3セット目に入ると、顎が上がる。
つまり基礎体力に欠けるのではないのか。圭の身体は強靭に鍛えられているが、体格が小さい分、それがハンデになっているかも知れない。
さはさりとて、日本テニス界の長い暗黒時代に光を射して来たのは、まぎれもなく圭。
そして、圭に続く10代の少年たちに勇気を与えるのも、テニスの王子様である圭であることは間違いない。
(じゅうめい)