甘利明と谷公士。
谷公士、68歳。 東大法学部卒、郵政官僚、郵政事務次官を経て、4つの「渡り」を行ない、人事院総裁になった。 官僚帝国の大ボス。 甘利大臣ごときは官僚帝国に仕える猿同然だから、聞く耳持たぬで平気の平左だ。
甘利は打ち明ける、「何度も総裁にお会いしたいと申し入れたが断わられた」。人事院側は、「内閣一元化は反対だ。会う必要もない。我々は一歩も引かない」。そして昨日30日の午前中に開かれる予定だった総理主宰の公務員改革会議に谷は出席を拒否し、会は流れた。人事院総裁が、「俺が総理大臣だ」とばかりに時の総理と大臣の言うことを聞かないのだから、麻生内閣も舐められたというのか、「薄らバカ」扱いだ。さて、勝つのは官僚帝国の総統か、大臣様か、それとも得意の先送り玉虫色か。
★
かんぽの宿問題。オリックスと郵政の不正は昨日述べたが、その根っこは深くなりそうだ。第二弾は近日中に放つ。麻生政権を揺さぶるスキャンダルの可能性を秘めている。
★
小泉さんは総理の時代に国会で、「格差があるのは当然」で何が悪いという言い方をした。それを考えてみた。それは「格の違いによる差」ではなく、社会的配慮あるいは社会保障制度の不備による「だまし穴に入った差」ではないのか。今や163万人が派遣で、非正規雇用は全労働者の3分の1。彼らの年収は200万円を切っているという。ワーキングプアという言葉が骨身に沁みてくるようだ。質のいい派遣労働者や非正規を安く「仕入れ」た製造企業は、内部留保を1兆円単位で溜めながら、景気悪化を理由に中途解除でも何でも首を切り寮を追い出し、人間を「部品仕入費」として処理する。
しかも、失業保険は実質機能していないから、寒空に派遣労働者は路頭に迷うことになる。一方、漫画太郎は2兆円のバラマキを行い、その事務経費825億円を消費する。喜ぶのは法人税を払っていない銀行だろう。
今の深刻な雇用切りは、悪賢い財界を中心とする規制改革会議 (議長はオリックス会長の宮内義彦) が製造派遣を要求したことにある。 また、経済財政諮問会議も、新自由主義を唱えたが、その姿は強欲資本主義ではなかったか。
☆
竹中平蔵。
今、小泉竹中が叩かれている。人呼んで小泉・竹中不況。
最近、竹中平蔵は派遣切りを聞かれてこう答えた。
「派遣労働者は労働者のたった2.6%しかいないんですよ。一方、正規雇用者は減っていません。製造派遣法により企業はあれだけ儲けましたよね。それは日本経済の成長です。だから2004年の製造派遣法は問題ない」。
たった2.6%と言うが、労働者人口は6300万人であるから派遣は163万人という膨大な数に上る。また非正規従業員は34%であるから、3人に1人が非正規雇用者であり、その数2140万人になる。
正規雇用者は減っていないというのは、逆に言えば「増えていない」ということだ。本来正規になっていた人達が非正規になってワーキングプアになったということになる。
次に竹中平蔵は、「派遣は請負より守られているから、派遣の方がいい」と言う。しかし、実のところ派遣は守られていない。実質的に雇用保険(失業手当)は機能していない。今年の4月から法改正されて改善されるが、少しの改善であって、社会保障の網は張られていない。言葉の誤魔化しでは人を納得させない。しかし、竹中平蔵だけを責めても可哀想だ。竹中だけの責任ではない。一方、竹中は次のような良いアイデアを述べた。一つは2兆円の給付金をばらまく代わりに、現在の羽田空港の規模を2倍にして、日本のハブ空港にすべきだ。それによって日本経済は成長する。また、農業問題を取り上げ、企業が農業に参入できないのは日本の農業に発展性がない。企業の参入を認める政策を打ち立てるべし。課題は、今の農家は個人農営であるから、それなりの資本が参入すれば個人農家は淘汰される。その問題をどうするかだ。
☆
オバマ。
オバマが顔色を変えて怒った。
「無責任の極みで、恥ずべきことだ」。オバマは29日、公的資金を注入された銀行、証券、保険会社のCEO及び幹部連中が、巨額のボーナスを受け取っていたことを厳しく批判した。それらのトップと幹部が2008年に受け取ったボーナスは、合計184億ドル(約1.6兆円)と発表された。オバマはそれを知り、「経済危機という穴を自ら掘りながら、その穴を更に大きくして、その穴埋めを国民の税金に求めるのはShameful だ」と声を荒げた。
年間報酬が40~50億円、退職金が100~500億円という新自由主義者とは名ばかりの強欲資本主義、薄汚い顔をしたベニスの商人たち。それに踊らされた小泉・竹中がおり、規制緩和、グローバル化、構造改革という美名の下に行なわれたのは、国民の富の搾取であり、権力を私欲に用い、合法の網を張り強欲を正当化し、弱者から「なけなしの金銭」をむしり取っていったのではないのか。
☆
尾辻秀久(自民党参院議員会長)
自民党にしては良質な政治家だ。昨日、代表質問で漫画太郎を批判する姿勢を見せた。まだまだ遠慮しいしいだったが、尾辻に自身の本質を見破られたことを感知したせいか、漫画太郎は苦虫を6匹ほど口の中で噛んでいた。尾辻も何を恐がっているのか。もっと堂々と国家国民の為に意見を述べよ。生命まで取られはすまい。美徳は時に背徳になる。
☆
ダボス会議。
漫画太郎が強行軍でスイスへ飛び立った。 官邸で若手記者から、総理が行って何か日本の国益につながるのかと聞かれて、漫画太郎は何やら綺麗ごとを喋っていたが、一言、「ボク、飛行機に乗りたいの」 と言えば皆納得するのだが。
さて、そのダボス会議、パレスチナを巡る討論で、トルコのエルドアン首相がイスラエルのペレス大統領と激しい舌戦を繰り広げ、怒りのあまりエルアドン首相が壇上から途中退席する一幕があった。 ペレスはガザへの軍事侵攻について、ハマスによるロケット攻撃が「そもそもの原因」 だと指摘した。 これに対しエルドアンは、「あなたは人を大勢殺した殺人者」 と厳しく非難した。司会者がエルアドン首相の発言を遮ろうとすると、「もうダボスには来ない」 と言って席を蹴ったという。 このくらいの怒りを見せないと国際外交は駄目だ。 一方、6ヶ国協議における日本の歴代の外務省高官の佐々江賢一郎や斎木昭隆は、ただヘラヘラ笑っているだけで、誰にも相手にされていない現実を我々は知らなければならない。
(ムラマサ、鋭く斬る)
谷公士、68歳。 東大法学部卒、郵政官僚、郵政事務次官を経て、4つの「渡り」を行ない、人事院総裁になった。 官僚帝国の大ボス。 甘利大臣ごときは官僚帝国に仕える猿同然だから、聞く耳持たぬで平気の平左だ。
甘利は打ち明ける、「何度も総裁にお会いしたいと申し入れたが断わられた」。人事院側は、「内閣一元化は反対だ。会う必要もない。我々は一歩も引かない」。そして昨日30日の午前中に開かれる予定だった総理主宰の公務員改革会議に谷は出席を拒否し、会は流れた。人事院総裁が、「俺が総理大臣だ」とばかりに時の総理と大臣の言うことを聞かないのだから、麻生内閣も舐められたというのか、「薄らバカ」扱いだ。さて、勝つのは官僚帝国の総統か、大臣様か、それとも得意の先送り玉虫色か。
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かんぽの宿問題。オリックスと郵政の不正は昨日述べたが、その根っこは深くなりそうだ。第二弾は近日中に放つ。麻生政権を揺さぶるスキャンダルの可能性を秘めている。
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小泉さんは総理の時代に国会で、「格差があるのは当然」で何が悪いという言い方をした。それを考えてみた。それは「格の違いによる差」ではなく、社会的配慮あるいは社会保障制度の不備による「だまし穴に入った差」ではないのか。今や163万人が派遣で、非正規雇用は全労働者の3分の1。彼らの年収は200万円を切っているという。ワーキングプアという言葉が骨身に沁みてくるようだ。質のいい派遣労働者や非正規を安く「仕入れ」た製造企業は、内部留保を1兆円単位で溜めながら、景気悪化を理由に中途解除でも何でも首を切り寮を追い出し、人間を「部品仕入費」として処理する。
しかも、失業保険は実質機能していないから、寒空に派遣労働者は路頭に迷うことになる。一方、漫画太郎は2兆円のバラマキを行い、その事務経費825億円を消費する。喜ぶのは法人税を払っていない銀行だろう。
今の深刻な雇用切りは、悪賢い財界を中心とする規制改革会議 (議長はオリックス会長の宮内義彦) が製造派遣を要求したことにある。 また、経済財政諮問会議も、新自由主義を唱えたが、その姿は強欲資本主義ではなかったか。
☆
竹中平蔵。
今、小泉竹中が叩かれている。人呼んで小泉・竹中不況。
最近、竹中平蔵は派遣切りを聞かれてこう答えた。
「派遣労働者は労働者のたった2.6%しかいないんですよ。一方、正規雇用者は減っていません。製造派遣法により企業はあれだけ儲けましたよね。それは日本経済の成長です。だから2004年の製造派遣法は問題ない」。
たった2.6%と言うが、労働者人口は6300万人であるから派遣は163万人という膨大な数に上る。また非正規従業員は34%であるから、3人に1人が非正規雇用者であり、その数2140万人になる。
正規雇用者は減っていないというのは、逆に言えば「増えていない」ということだ。本来正規になっていた人達が非正規になってワーキングプアになったということになる。
次に竹中平蔵は、「派遣は請負より守られているから、派遣の方がいい」と言う。しかし、実のところ派遣は守られていない。実質的に雇用保険(失業手当)は機能していない。今年の4月から法改正されて改善されるが、少しの改善であって、社会保障の網は張られていない。言葉の誤魔化しでは人を納得させない。しかし、竹中平蔵だけを責めても可哀想だ。竹中だけの責任ではない。一方、竹中は次のような良いアイデアを述べた。一つは2兆円の給付金をばらまく代わりに、現在の羽田空港の規模を2倍にして、日本のハブ空港にすべきだ。それによって日本経済は成長する。また、農業問題を取り上げ、企業が農業に参入できないのは日本の農業に発展性がない。企業の参入を認める政策を打ち立てるべし。課題は、今の農家は個人農営であるから、それなりの資本が参入すれば個人農家は淘汰される。その問題をどうするかだ。
☆
オバマ。
オバマが顔色を変えて怒った。
「無責任の極みで、恥ずべきことだ」。オバマは29日、公的資金を注入された銀行、証券、保険会社のCEO及び幹部連中が、巨額のボーナスを受け取っていたことを厳しく批判した。それらのトップと幹部が2008年に受け取ったボーナスは、合計184億ドル(約1.6兆円)と発表された。オバマはそれを知り、「経済危機という穴を自ら掘りながら、その穴を更に大きくして、その穴埋めを国民の税金に求めるのはShameful だ」と声を荒げた。
年間報酬が40~50億円、退職金が100~500億円という新自由主義者とは名ばかりの強欲資本主義、薄汚い顔をしたベニスの商人たち。それに踊らされた小泉・竹中がおり、規制緩和、グローバル化、構造改革という美名の下に行なわれたのは、国民の富の搾取であり、権力を私欲に用い、合法の網を張り強欲を正当化し、弱者から「なけなしの金銭」をむしり取っていったのではないのか。
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尾辻秀久(自民党参院議員会長)
自民党にしては良質な政治家だ。昨日、代表質問で漫画太郎を批判する姿勢を見せた。まだまだ遠慮しいしいだったが、尾辻に自身の本質を見破られたことを感知したせいか、漫画太郎は苦虫を6匹ほど口の中で噛んでいた。尾辻も何を恐がっているのか。もっと堂々と国家国民の為に意見を述べよ。生命まで取られはすまい。美徳は時に背徳になる。
☆
ダボス会議。
漫画太郎が強行軍でスイスへ飛び立った。 官邸で若手記者から、総理が行って何か日本の国益につながるのかと聞かれて、漫画太郎は何やら綺麗ごとを喋っていたが、一言、「ボク、飛行機に乗りたいの」 と言えば皆納得するのだが。
さて、そのダボス会議、パレスチナを巡る討論で、トルコのエルドアン首相がイスラエルのペレス大統領と激しい舌戦を繰り広げ、怒りのあまりエルアドン首相が壇上から途中退席する一幕があった。 ペレスはガザへの軍事侵攻について、ハマスによるロケット攻撃が「そもそもの原因」 だと指摘した。 これに対しエルドアンは、「あなたは人を大勢殺した殺人者」 と厳しく非難した。司会者がエルアドン首相の発言を遮ろうとすると、「もうダボスには来ない」 と言って席を蹴ったという。 このくらいの怒りを見せないと国際外交は駄目だ。 一方、6ヶ国協議における日本の歴代の外務省高官の佐々江賢一郎や斎木昭隆は、ただヘラヘラ笑っているだけで、誰にも相手にされていない現実を我々は知らなければならない。
(ムラマサ、鋭く斬る)