菅直人。
昨日、古館の報道ステに出た。
菅も副総理になった今、表だけでも、もう少し余裕のある顔を見せればいいが、何かに追われて切羽つまった顔付きを見せるのは、個人的な問題か、それともそれまで官僚との争闘に精力を注ぎ過ぎたのか、どっちだろう。まあ、それは置いといて、国家戦略大臣として、あるべき政治の姿、国家のあり方を語ったのは説得力があった。
官僚主導の政治を、本来あるべき国民主権の政治へ舵を大きく切り替える。 そのダイナミズムと情熱に賭けたい。
王の顔を持つ鳩山、鷹の目を持つ菅、信念の男・前原、情熱の男・長妻、謀将の仙谷、切れる古川と馬淵、原口、鋭仁、枝野らキラ星の如くだ。自民党を再起不能までに倒した今、眼前には官僚帝国の牙城がそびえている。
★赤松広隆。
旧社会党の人は、根っこが自民党と同じだ。 善も悪も自民党を小ぶりにしたものだから、それなら自民党の方がベターだった。 だから社会党は長い歴史を持ちながら、小の分だけ自民党より早く没落してしまった。自民党の腐敗官僚を労働貴族に置き換えれば社会党になる。
さて赤松広隆は、農水省が1979年から建設を続けている大蘇ダム(熊本県産山)について、「地域のみなさんの期待に応えられるようにダムを継続して作る」と述べ、大蘇ダムの完成を目指すという。しかし、このダムをめぐっては総選挙前の7月下旬、熊本入りした鳩山由紀夫が「無駄なダムの見本だ」 と発言し、中止を訴えていた。
一方このダムは、2009年度までに事業費592億円を使い切り、工事の進み具合は99.9%であるという。 赤松は99%の完成度を理由にしてダム建設を続けると語った。しかし99%という数字は、ダムの完成度ではなく、計上された予算をほぼ使い切ったということで、また新たに予算を計上して、ダム建設を継続するという官僚の計算である。つまりダムは、Never ending story なのだ。
1979年からダム建設を始めたということは、ちょうど30年経った。 30年経っても完成しないダム。 その不思議な理由とは、実はこのダム、水底の地底から水が漏れていくという欠陥ダムなのだ。始めから分かっていた地質の問題で、防水処理をやったのだが、結果的に失敗した。しかし官僚にとっては、この失敗は奇貨であった。専門家がやってうまく行かないという事は、官僚の失敗ではないし、さらに金を注ぎ込める。この水漏れをなくすには、新たに膨大な費用がかかる。つまり大蘇ダムは、ダムでありながらダムに水が貯まらないという、笑点ならザブドン3枚の代物だ。
この赤松という人は甘い。 築地市場の移転問題でも、市場の現場で、テレビを前にしてテンションが上ったか、「俺がサインをしなければ移転は出来ない」 などと小権力を見せびらかした。自民党と同じ穴の「オソ松」 大臣だ。
★大塚耕平。
ドン亀の尻拭いをやった大塚。 日銀出身で官僚的ではある。 自民の塩崎と似ている体臭がするから、将来の大器になるには一皮も二皮も剥ける必要がある。
さて、金融副大臣の大塚は、モラトリアムについて銀行に返済猶予を義務付けることはしないという。 「金融機関はより貸しやすくなる、企業からみれば条件変更をしてもらい易くなる」と述べた。 つまりモラトリアムではなく、「貸し渋り・貸しはがし防止法案」だ。 そして銀行が返済猶予に応じた場合、公的資金の注入で対応するという。 ドン亀は、「元本だけでは駄目。金利まで返済猶予をやれ」と迫ったが、徳政令などは江戸時代の話だ。
さて8月の倒産は、負債額1億円未満のものが前年同月比10%増の819件となり、中小企業の倒産が増加している。日本商工会議所はモラトリアムについて朗報と語ったが、すでにメガバンクは、中小企業向け融資は開店休業にした。
ドン亀のドンは「鈍」なのか「貪」 なのか。 まあ、古代生物のドン亀ということだろう。
(ムラマサ、鋭く斬る)