★錦織圭。
やはりクロアチアの１８歳の新進気鋭は、ただ者ではなかった。
マレーとナダルを破ったことだけのことはあった。
１セット目、圭はあっと言う間に０対４とゲームをリードされ、簡単に１セットを失ってしまった。１セットの１ｓｔサーブが３５％しか入らなかったのだから、絶不調に見えた。
圭、まさかの１回戦敗退かと危ぶんだが、２セット目以降の圭は別人２８号になったから、これも驚いた。
１８歳を寄せ付けず、２セット、３セットを圧勝、「俺が本気出すと、ちょっと怖いぜ」なんて言ったかどうか知らないが、クロアチアの１８歳は手も足も出なかった。
有明のセンターコートは、１万人の観客で埋め尽くされ、歓喜に沸いた。
一番、喜んだのは楽天とwowowだったろう。
圭が負ければ来年のスポンサー獲得に支障が出るし、またwowowは加入者増に結びつかない。
楽天サイドから聞こえてきたのは、もちろん冗談だが、圭が負けそうになれば、コートに誰かが乱入して、無効試合にするかも、なんてジョークを飛ばしてた。それだけ楽天の男たちは瀬戸際で勝負をやっているということ。
トップがキツイからなあ。
★大村智。
大村さんがノーベル医学生理学賞を受賞した。
祝、おめでとう。
大村さんの人生哲学は、「人のため、世のため、人生の岐路においては、それを判断軸として考えた」とな。
やっぱり偉人は凄いね。
★巨人。
プロ野球の巨人に所属する投手・福田聡志（３２）が、野球賭博に関与したと読売巨人軍が発表した。また投手・笠原将生（２４）も関与していると発表した。
球界を永久追放だな。
そもそも刑法の常習賭博罪に相当するし、巨人戦の野球賭博にも関わったというから、八百長の疑惑まで出てくる。
賭博と八百長となれば、一生、破滅だぞ
背後には暴力団が絡んでいる。
★戦艦大和、一射手の吐露。
反響が非常に多かったので、機銃掃射のシーンを補足します。
敵の機銃掃射が卑怯だって？
いや、えげつないなとは思ったけど、卑怯とは思わんかった。
あの戦闘機のアンチャンだって、国には母ちゃんも父ちゃんも、弟妹もいたと思う。そういう親弟妹の為に必死に戦ってるんやと思ったし、それは相子や。
戦争とは相手を破壊し、殺すもんや。そういう風に脳が教育されておる。
けどな、海にポッコリと浮かんだ俺たちを機銃掃射したのは一回だけやった。
あとは急上昇して、どこかへ消えて行った。後味悪かったんやろな、と後で思った。
そしてな、銀色の翼を光らせたグラマンの機銃がバリバリと火炎を放って撃ち込んできたとき、実は俺、町の花火大会やなと思った。
子供のとき、夏の日に観た花火や。
テレビもラジオも何もない時代や、銭なんて貰われへんから、家を出るとき井戸の水を腹一杯飲んでから、花火観に行くんや。それが楽しみでな。
堤防の上には、夜店がぎょうさん並んでてな、カネあらへんから何も買えんかった。けど、店を冷かやして楽しかったな。大人になったら、あれも買う、これも買う思ったけど、買って楽しいのは子供のときだけやな。
テキヤのオッチャンは皆、怖かったけど、中に優しいオッチャンもおった。
俺が口開けて、そのオモチャを見てたんやろな。
「ボウズ、手に触って見てもいいぞ」と言われたんや。
でも触れなんだ。銭もないのに触っちゃあかん。オトンに怒られる。
いつも言われてた。物欲しそうなツラするなって、武士は食わねど高楊枝や。そのオモチャはブリキでできた小さな軍艦だった。オトンが言ってた日露戦争の船かいな。そして俺は旭日旗を目に焼き付けた。
それから「オッチャン、おおきに」と言ってから、走って家へ帰った。今日は楽しかったな。遅くなったらオカンに怒られる。
のちに、俺が戦艦大和に乗るとは思わんかった。
ああ機銃掃射の話やったな
グラマンの弾がきれいな曳航弾となってな、音も凄かったけど、これがこの世との別れやなとボンヤリ思った。悟りなんて今でもよう分からんけど、あの時を思い返すと、不思議に落ちついてたな。言葉ではよう分からんけど、死ぬときは、ああいう気持ちになるんやな。無我の境地や。
しかし、俺はなぜか助かった。
なぜやろな。俺は何の取り得もない男や。海軍に入って、殴られ殴られ育ってきた男や。軍隊がなかったら、俺なんてどこにも働き場所なんてなかったやろな。お前みたいな者は、まだ上には上げられへん、ということやったんかな。
俺、あの世に行ったら、大和の戦友に会いたいな。
皆、気のいい奴ばかりやった。
それが今の望みや。
（じゅうめい）
