さて、これまで民法の条文自体が“第三者間の紛争”をどのように解決してきたかを書いてきましたね。
それは、まず一つ、A→B→Cで、この後にAB間が取り消されたとか解除されたとか、もちろんもともと無効でもいいのですが、そういうときに当然AとC(特にそれを知らないとき)は、紛争になるはずですから、その解決手段はなーんだですね。
覚えていますか。『原則はAが勝って、例外的にCを勝たせよう』とするルールでした。もう完璧だ!
次に、Aが自己の物、試験では不動産が多いですね、それを二重、三重に売ってしまったときの、A→B、A→C、でのBとCとの紛争解決手段でした。
民法の中で、最も重要な条文といいましたね。
民法177条です。『先に登記をすれば、勝つんだ』というルールです。
ウサギのように、怠けていると、亀に後で追い越されて、負けというルールです。ウサギも後で後悔すると思いますが、後の祭りというルールですね。ぼーっとしている方が負けても仕方がない、という価値観があるということです。
実は、立法者はこの2つで、ほとんどの対第三者間、そう特に不動産にまつわる紛争は網羅されていると思っていました。
しかし、しかしです。ちょっと予想していなかった事態がその後出現したのです。
今回は、それをじっくり押さえておきましょう。状況をね。それが分からないといろいろ応用できませんし。
それは、A→B→Cにおいて、たとえば、AB間が取消とか解除されている場合です。
あれ、それ最初の解決策では、と思った方、授業眠っていないですね。その調子。
そう、よく似ています。実は、文章で書くとちょっとだけしか違わないんです。
しかし、文字でなく考えてみると、状況は全く違っているんですね、これが。
それは、無効では初めから無効ですから、今回の状況は起こらないのですが、取消とか解除は、その意思を表明する前と後が明確に分かれますね。ここがポイント。
つまり、最初の条文のルールは、どういうことだったかというと、Cまで不動産が移転したのに、その後Aが取消とか解除した場合、ちょっとCの手元にある不動産をとられるのが、あの場合にはかわいそうなことがあるだろうから、例外的にAよりCを勝たせようとしたのですね。立法者が。
でも、今回は、取消“後”、解除“後”に買っているんです。Cはね。
これ、立法者はもともとこんな事態は起こらないと思っていたんだ。
なぜかって? それは、ある意味常識的なんだ。
取消後にBからCが買うのって、登記がA名義ではなく、B名義に残っている場合でしょ。だから、CもBから買うことに、疑問をあまりいだかず購入した思うから。
でも、実はこういう状況にならない、と立法者は思っていたはずなんだ。それをこれから述べよう。
それは、取消、理由はBの詐欺にしよう。これからは、みなさんも想像してね。
Aの立場にたったときを考えてみて。Bが結婚詐欺師にしよう。
そしてAマンション名義をBにうまいこと騙されて、AからB名義にしてしまった。
皆さんは、Aの立場で、結婚詐欺がわかった時点で、取り消したらどうしますか。
直ちに、名義を変更できるわけですから、そうしませんか。ということです。
直ちに、そうすればBが名義があることをいいことに、Cに売るという事態は、この世の中起きないでしょう。
立法者も、そんなことは起こらないから、あらかじめルールをこしらえておく必要はないと思っていたんだ。しかし、実は頻繁に起きてきた。
それは、AがなかなかB名義の変更をしないということです。
それが、第三の紛争地帯が発生してしまった原因。
ちょっと、書きすぎたので今回はこの辺で・・。次回までに、それはどうしてか考えておいてくださいね。
なぜ、こんなことが起きて世の中を騒がしたのかです。
では、また。
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それは、まず一つ、A→B→Cで、この後にAB間が取り消されたとか解除されたとか、もちろんもともと無効でもいいのですが、そういうときに当然AとC(特にそれを知らないとき)は、紛争になるはずですから、その解決手段はなーんだですね。
覚えていますか。『原則はAが勝って、例外的にCを勝たせよう』とするルールでした。もう完璧だ!
次に、Aが自己の物、試験では不動産が多いですね、それを二重、三重に売ってしまったときの、A→B、A→C、でのBとCとの紛争解決手段でした。
民法の中で、最も重要な条文といいましたね。
民法177条です。『先に登記をすれば、勝つんだ』というルールです。
ウサギのように、怠けていると、亀に後で追い越されて、負けというルールです。ウサギも後で後悔すると思いますが、後の祭りというルールですね。ぼーっとしている方が負けても仕方がない、という価値観があるということです。
実は、立法者はこの2つで、ほとんどの対第三者間、そう特に不動産にまつわる紛争は網羅されていると思っていました。
しかし、しかしです。ちょっと予想していなかった事態がその後出現したのです。
今回は、それをじっくり押さえておきましょう。状況をね。それが分からないといろいろ応用できませんし。
それは、A→B→Cにおいて、たとえば、AB間が取消とか解除されている場合です。
あれ、それ最初の解決策では、と思った方、授業眠っていないですね。その調子。
そう、よく似ています。実は、文章で書くとちょっとだけしか違わないんです。
しかし、文字でなく考えてみると、状況は全く違っているんですね、これが。
それは、無効では初めから無効ですから、今回の状況は起こらないのですが、取消とか解除は、その意思を表明する前と後が明確に分かれますね。ここがポイント。
つまり、最初の条文のルールは、どういうことだったかというと、Cまで不動産が移転したのに、その後Aが取消とか解除した場合、ちょっとCの手元にある不動産をとられるのが、あの場合にはかわいそうなことがあるだろうから、例外的にAよりCを勝たせようとしたのですね。立法者が。
でも、今回は、取消“後”、解除“後”に買っているんです。Cはね。
これ、立法者はもともとこんな事態は起こらないと思っていたんだ。
なぜかって? それは、ある意味常識的なんだ。
取消後にBからCが買うのって、登記がA名義ではなく、B名義に残っている場合でしょ。だから、CもBから買うことに、疑問をあまりいだかず購入した思うから。
でも、実はこういう状況にならない、と立法者は思っていたはずなんだ。それをこれから述べよう。
それは、取消、理由はBの詐欺にしよう。これからは、みなさんも想像してね。
Aの立場にたったときを考えてみて。Bが結婚詐欺師にしよう。
そしてAマンション名義をBにうまいこと騙されて、AからB名義にしてしまった。
皆さんは、Aの立場で、結婚詐欺がわかった時点で、取り消したらどうしますか。
直ちに、名義を変更できるわけですから、そうしませんか。ということです。
直ちに、そうすればBが名義があることをいいことに、Cに売るという事態は、この世の中起きないでしょう。
立法者も、そんなことは起こらないから、あらかじめルールをこしらえておく必要はないと思っていたんだ。しかし、実は頻繁に起きてきた。
それは、AがなかなかB名義の変更をしないということです。
それが、第三の紛争地帯が発生してしまった原因。
ちょっと、書きすぎたので今回はこの辺で・・。次回までに、それはどうしてか考えておいてくださいね。
なぜ、こんなことが起きて世の中を騒がしたのかです。
では、また。
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