いよいよ最後のヤマにきました!
これで、この論点は最終回にしましょう。これまでのテーマは、「○○後の第三者」でしたね。
そのルールは、そう原則は177条で処理する、しかし、唯一177条で処理しないものがある、それが「相続の放棄後の第三者」でした。それを今回は書き上げましょうね。
そのまえに、相続放棄ってなんですか。
被相続人(死亡した人)には、マイナスの財産しかないとき、そのままだとそれも相続してしまうのが、相続という制度でしたから、相続したくない人を保護する制度です。
そこで条文をみておくといいでしょうね。そうすれば、一気に解決です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★まず、借金も相続するという点は、
第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
★それがいやなら、放棄してね、ということで、
第915条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
※遺産分割と違って、たったの3月以内で、できなくなりますね。これは大変です。そういう気持ちがでてきましたか(感情を込められるようになっていますか)。
★決定打がこれ!
第938条
相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
※これを読んで、どのような想像ができたかで、今後のあなたの運命が決まりますよ。えー、何にも出てこない、それは困った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
では、なぜ177条で処理しないか、ですね。
177条を適用できるのは、重要な2点のチェックは欠かせませんでしたね。え、もう忘れてしまいましたか。それはマズイ、前を読んで。
では、ひとつは、二重譲渡“的”ということと、もうひとつは、負ける方もぼーっとしているから仕方がないじゃないか、といえることでしたね。むしろ後者の方、コチラが非常に重要でした。
二重譲渡的といえればいえるし、いえないといえばいえないし、ちょっと頼りないわけですから、相続放棄も、二重譲渡的といえそうです。
しかし、もう一つの方が決定打でしょう。
そうすると、遺産分割と決定的に違いますね。遺産分割は相続人全員で協議するわけですから、みんなその結果を知っている、知っているのにやらないのは法律の立場からすると、ダメだということなんだ。
では、相続放棄は、そう他の相続人が知らない場合もあるの。家裁にしなければいけないのであって、他の相続人に言えとはいってなかったでしょ。
そうすると相続放棄をすることで、他の相続人の持分が増えても、だからといってそれで登記をしなければいけないんだとは、思わないでしょう。聞かされれば分かるけど。たとえば、兄が今日俺、家裁で放棄しちゃった、とね。
だから、放棄後すぐに残された相続人にすぐ登記しろといっても、ムリなの、法律はムリなことはさせないから、登記をした人を勝たせようとするルールは、結局ムリということなんだ。
どう、理解できました。ここまで、ちょっと長くかかったけど、このような利益衡量は、理解できるでしょうし、別におかしいものではないから、どんどん使っていこう。
ということで、第三者にまつわるルールをすべてきちんと見てきました。
これをベースに応用問題にも、ぜひトライしてください。
この知識は、民法の科目のある試験なら、宅建試験であろうと、行政書士試験であろうと、司法書士試験であろうと、司法試験であろうと、全部同じ力です。打ち出の小槌なんだ。
じゃあ、長くなりましたから、この辺で、では、また。
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これで、この論点は最終回にしましょう。これまでのテーマは、「○○後の第三者」でしたね。
そのルールは、そう原則は177条で処理する、しかし、唯一177条で処理しないものがある、それが「相続の放棄後の第三者」でした。それを今回は書き上げましょうね。
そのまえに、相続放棄ってなんですか。
被相続人(死亡した人)には、マイナスの財産しかないとき、そのままだとそれも相続してしまうのが、相続という制度でしたから、相続したくない人を保護する制度です。
そこで条文をみておくといいでしょうね。そうすれば、一気に解決です。
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★まず、借金も相続するという点は、
第896条
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
★それがいやなら、放棄してね、ということで、
第915条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
※遺産分割と違って、たったの3月以内で、できなくなりますね。これは大変です。そういう気持ちがでてきましたか(感情を込められるようになっていますか)。
★決定打がこれ!
第938条
相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
※これを読んで、どのような想像ができたかで、今後のあなたの運命が決まりますよ。えー、何にも出てこない、それは困った。
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では、なぜ177条で処理しないか、ですね。
177条を適用できるのは、重要な2点のチェックは欠かせませんでしたね。え、もう忘れてしまいましたか。それはマズイ、前を読んで。
では、ひとつは、二重譲渡“的”ということと、もうひとつは、負ける方もぼーっとしているから仕方がないじゃないか、といえることでしたね。むしろ後者の方、コチラが非常に重要でした。
二重譲渡的といえればいえるし、いえないといえばいえないし、ちょっと頼りないわけですから、相続放棄も、二重譲渡的といえそうです。
しかし、もう一つの方が決定打でしょう。
そうすると、遺産分割と決定的に違いますね。遺産分割は相続人全員で協議するわけですから、みんなその結果を知っている、知っているのにやらないのは法律の立場からすると、ダメだということなんだ。
では、相続放棄は、そう他の相続人が知らない場合もあるの。家裁にしなければいけないのであって、他の相続人に言えとはいってなかったでしょ。
そうすると相続放棄をすることで、他の相続人の持分が増えても、だからといってそれで登記をしなければいけないんだとは、思わないでしょう。聞かされれば分かるけど。たとえば、兄が今日俺、家裁で放棄しちゃった、とね。
だから、放棄後すぐに残された相続人にすぐ登記しろといっても、ムリなの、法律はムリなことはさせないから、登記をした人を勝たせようとするルールは、結局ムリということなんだ。
どう、理解できました。ここまで、ちょっと長くかかったけど、このような利益衡量は、理解できるでしょうし、別におかしいものではないから、どんどん使っていこう。
ということで、第三者にまつわるルールをすべてきちんと見てきました。
これをベースに応用問題にも、ぜひトライしてください。
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