昨日、関西学院大学の行き帰り、約5時間。電車の中で…
…別府悦子さんの『ちょっと気になる子どもの理解、援助、保育』(ちいさいなかま社、06年7月)を読む。『ちいさいなかま』に連載されたものをまとめたもの。子どもの状況と関わり手の心情がよく描かれていて、読みやすいものだった。別府さんは、情感にうったえるような記述がうまい。保育者に読まれる本となると思う。
読みかけでほってあった、鶴島緋沙子『トミーの夕陽』(つげ書房新社、1997年4月)を読む。山田洋次監督の「学校III」の原作となったもの。自閉症の青年の視点からの、「カーサン」との生活を綴った短編が中心。最後の1編だけが肢体障害の女性のものがたり。最後の1編はそれなりにいいのだが、本の統一性を考えると、自閉症のトミーの視点からのもので統一した方が良かったのではないかと思う。著者は、この本を山田監督におくり、そのことを通して、映画「学校III」となったという。「学校III」は、専門学校とそこに学ぶ女性を描いた作品だが、『トミーの夕陽』の中にはその学校の設定はない。専門学校と結びつけて、大竹しのぶ演ずるカーサンとトミーとのエピソードを絡めるところは、短編を一つの物語とする映画のストーリーのオリジナルなところ。映画の最後には、短編「トミーの夕陽」の乳ガンでの手術にのぞむ「カーサン」の葛藤を配置している(この部分は、書き下ろしであり、この作品のタイトルにもなっている)。いろんな思い錯綜して、映画の大竹しのぶの演技にこころを絞られる思いがする。
作者と自閉症の息子さんについてはいろいろなエピソードがあるようだ。この本の中には、自閉症児とその母親の真実が反映していると思われる。いつかそのことを考えてみたい。
…別府悦子さんの『ちょっと気になる子どもの理解、援助、保育』(ちいさいなかま社、06年7月)を読む。『ちいさいなかま』に連載されたものをまとめたもの。子どもの状況と関わり手の心情がよく描かれていて、読みやすいものだった。別府さんは、情感にうったえるような記述がうまい。保育者に読まれる本となると思う。
読みかけでほってあった、鶴島緋沙子『トミーの夕陽』(つげ書房新社、1997年4月)を読む。山田洋次監督の「学校III」の原作となったもの。自閉症の青年の視点からの、「カーサン」との生活を綴った短編が中心。最後の1編だけが肢体障害の女性のものがたり。最後の1編はそれなりにいいのだが、本の統一性を考えると、自閉症のトミーの視点からのもので統一した方が良かったのではないかと思う。著者は、この本を山田監督におくり、そのことを通して、映画「学校III」となったという。「学校III」は、専門学校とそこに学ぶ女性を描いた作品だが、『トミーの夕陽』の中にはその学校の設定はない。専門学校と結びつけて、大竹しのぶ演ずるカーサンとトミーとのエピソードを絡めるところは、短編を一つの物語とする映画のストーリーのオリジナルなところ。映画の最後には、短編「トミーの夕陽」の乳ガンでの手術にのぞむ「カーサン」の葛藤を配置している(この部分は、書き下ろしであり、この作品のタイトルにもなっている)。いろんな思い錯綜して、映画の大竹しのぶの演技にこころを絞られる思いがする。
作者と自閉症の息子さんについてはいろいろなエピソードがあるようだ。この本の中には、自閉症児とその母親の真実が反映していると思われる。いつかそのことを考えてみたい。